妊娠でまず心配なのが、「つわり」の苦しみですね。
つわりの苦しみの程度はかなり個人差があります。
軽い妊婦さんもいますし、日常生活がふつうに過ごせないほど重い妊婦さんもいます。
吐き気がひどすぎて水さえ飲めず、入院する重症な妊婦さんもいます。
つわり、いつから?
妊娠5~6週頃に始まることが多いですが、
早い人だと妊娠4週目から始まることがあります。
WHOでは、最終月経開始日を「妊娠0週0日」としますので、妊娠4週は、最後の月経開始日から28日後のことです。
28日周期で生理がきている場合、ちょうど生理予定日になります。
妊娠検査薬が使えるのが「生理予定日の1週間後以降」なので、妊娠検査薬で確認できる前に、つわりの症状が現れることもあります。
つわり、いつまで?
つわりの多くは妊娠5~6週に始まり、妊娠8~11週頃にピークを迎え、妊娠12~16週頃まで続きます。妊娠16週以降は「安定期」に入って体調が落ち着き、この頃からマタニティヨガやウオーキングなどの運動を始める妊婦さんが増えてきます。
妊娠16週頃には、それまで未熟だった胎盤がこの時期に完成し、ホルモンバランスが落ち着いてくるので、つわりがおさまってくると考えられています。
つわりの原因は、ホルモンバランスの急激な変化などが影響しているのではないかと言われますが、はっきりしたことはわかっていないのです。
つわりは甘え?
日本の昔の医療関係者(医師、助産師など)は、つわりの原因を精神論で勉強した人もいるそうで、フロイトのつわりへの考えが専門書の中に使われていたそうです。フロイトは精神科医ですが、産婦人科医師ではありません。
現代の医療関係者は、つわりは甘えなどではないときちんと勉強されているようです。
ただ、昔の精神論を勉強した医師や助産師の影響で、姑さんや母親や職場の上司などが、つわりなんて甘えにすぎないと言って、苦しみに理解を示さないことが、現代でもよくあります。
フロイトは、つわりが起きるのは、妊娠したくない気持ちがあるからとか、胎児を拒否したい感情があるからという説を唱えました。
また、夫への甘えと親への依存がつわりの原因としました。夫が甘やかすとつわりがひどくなるという考えだったのです。
まるで、つわりがあるのは、母親としても人間としても未熟なのだと言われているみたいですね。
実際に、つわりのひどい妊婦さんに、おなかの子を拒絶してはいけませんとか、お説教する医療関係者が昔はいたそうです。
また昔は、ひどいつわりで入院すると、つわりがひどくなるからということで、夫や親など家族と面会謝絶にするケースがあったそうです。
これではストレスでよけいつわりがひどくなります。
つわりの原因はまだはっきりとはわかっていないのです。
お説教も上から目線もいらない
つわりに限らず、病気やけがで、原因のわからない症状に対しては、一般人はもちろん、医師でさえ、「精神的なもの」と片付ける傾向は確かにあります。
生理痛でさえ、精神的なものと言い切る人もいます。生理痛は個人差が大きいので、痛みの軽い女性には、痛みがひどい女性のことは甘えているだけのようにも見えるのでしょうね・・・
私は学生時代のスポーツで首を痛めて20年ほどさまざまな痛みの症状に苦しみましたが、首に原因があるのにレントゲンで異常がないとか、病院での治療に効果がないとなると、医師から精神的なストレス性のものとされたり、一般の周りの人からはストレスでおかしくなったんだとか決めつけられたり、運動不足のせいだろうから、もっと鍛えなさいとか、上から目線で甘え扱いされて説教され、ますます苦しんだことがありました。
その後、理解のある接骨院の先生に出会い、ひと月で痛みが改善されてしまいました。
つわりに関しては、誰が何と言おうと、夫だけは理解者であってほしいですね。
職場で何と言われても、姑さんに何を言われても、外部の人の考え方まで変えることはできないので、仕方なく無視あるいは受け流すしかないですが、
家族の夫にだけは、「つわりは甘えではない」ことをしっかりと理解してほしいです。
つわりは胎児を守るため
2016年、アメリカで、つわりの吐き気は流産リスクの低減に関連していて、胎児保護の作用がある可能性を示唆する、という発表がありました。
つわりの吐き気で妊婦さんの食事量が減ると、胎児が毒素にさらされるリスクが減少し、健全な妊娠が促されるという考えも出てきたのです。
食事摂取量の減少によって、血中インスリン濃度が下がったり、胎盤の成長を促進させたりすることも、研究で示されているのです。
つわりの最中の妊婦さんは、胎児を拒絶しているのではなく、体をはって胎児を守っているのです。甘えとは全く逆ですね。
私が娘を妊娠した2010年は、つわりというのは、胎児を異物として排除しようとしている反応なのだという話が雑誌などでありました。一種のアレルギー反応のようなものだと。
おなかの子を受け入れていないと思うと母親失格のように思えて、よけいつわりがひどくなりました。
つわりは胎児を守るためという発表を知っていたら、どんなに心強くつわりを乗り越えていけただろうと、残念です。
夫に「おなかの子のためにがんばっているんだね」と言って労わってもらったら、どんなに嬉しいことでしょう。
私のつわり体験
幸い、私の夫はつわりの期間、つわりはなんだかわからないものであっても、とにかく妻が苦しんでいるという状況をしっかり受けとめてくれてくれて、いたわってくれましたので、安心してつわりを通過しました。
冷や麦を食べるだけで吐いたり、ご飯が炊けるにおいだけで吐いたり、棒棒鶏を作るために蒸し鶏を裂いているだけで吐いたり、たいへんでした。あまりにも吐くので血まで吐いてしまいました。胃と食道の境目で、吐く圧力のために少し裂けて出血することがあるそうです。
イチゴの他に何も食べれないときもありました。そのうちトマトは食べれるようになりました。
なぜかマクドナルドのフライドポテトがやたらと食べたくなって困りました。
それから、テレビで日頃は優しい人柄に好感を感じている芸能人が、笑顔アップで歯茎が映っているのをみたとき、いきなり吐いてしまいまして、自分でもびっくりしました。その芸人さん、好きなんですけどね・・・
他には、口の中の唾液がカラカラに乾燥して、夜中に夢で、口の中いっぱいに髪の毛が入って苦しんでいるという夢にうなされたりしました。
つわりの時期だけ夫のにおいがダメという妊婦さんもいるそうなんですが、私の夫は酒もタバコもやらない人で、食生活も肉より野菜中心の人なので、夫の体臭に苦しむという経験はありませんでした。
体臭は肉食のほうが強くなるそうなので、この際、ご主人も健康のために肉より野菜中心の食生活に変えてみてはいかがでしょうか。生まれてくる子を野菜好きな子に育てたいから協力してほしいのとお話してみてはいかがでしょうか。
こんな様子で、妊娠6週頃から安定期前までつわりは続きました。
つわりはまるで永遠に続くかのように思えてしまうのですが、ピークを超えれば必ず楽になります。
吐きすぎて脱水症状にならないように、それだけは気を付けてください。
つわりが終わったらどこにお出かけしたいか、マタニティヨガ、マタニティスイミング、ウォーキングなど、のびのびリラックスできる計画もたてて、つわりを乗り越えましょう。
私はつわりが終わってから、ピアノのコンサートに夫婦で行きました。
子どもが生まれたら夫婦でデートする時間もなかなかとれなくなります。安定期の夫婦のデートの予定をたててみてはいかがでしょうか。
つらい時期ですが、思い詰めすぎないで、なるべくリラックスして無理しないようにして過ごしましょうね。
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