ミルトンとハイターは同じ成分?次亜塩素酸ナトリウム濃度の違いから安全性を検証!

育児

 

妊娠中期から後期に入ると、出産準備リストを見ていろいろ購入されますね。

その中でも迷うのが、哺乳瓶消毒の方法です。

ケースに入れて電子レンジでできるものもありますが、電子レンジから出してすぐは熱くて使えない、やけどが心配だど、便利さの中に不便さもあるようです。

そこで挙げられるのがミルトンですが、成分がキッチンハイターと同じ次亜塩素酸ナトリウムだということで、

危険ではないか、と心配されるママの声をよく聞きます。

キッチンハイターとミルトンの違いはなんでしょうか。

ほんとうに危険性が強いのでしょうか。

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ミルトンとキッチンハイターの違いは?

ミルトン医薬品ですが、キッチンハイター雑貨品です。この違いをもう少し詳しくお話します。

ミルトンは医薬品

医薬品は純度、添加物が厳しく設定されています。ミルトンの添加物はpH調整剤だけです。

洗剤分は入っていません。

次亜塩素酸ナトリウム濃度は1.1%です。

80倍希釈液で使用し、すすぎの必要はありません。

医薬品インタビューフォーム

ミルトンの医薬品インタビューフォームには次のように書かれています。

2.製品の特徴及び有用性

(1)消毒後の哺乳瓶を十分に洗浄し、ミルトン希釈液に1時間以上浸すだけで消毒できるので、使用方法が簡単である。

(2)消毒後の哺乳瓶はすすがずに使用できる。消毒の原理は水道水の消毒法と同じであり、

哺乳瓶に残るミルトン希釈液に含まれる塩素の量は水道水の塩素量とほとんど同じ分量である。

また調乳により、ミルクの蛋白質と反応して極く少量の塩化ナトリウムに分解される。

したがって、すすがずに使用しても体内に入って影響を及ぼすことは考えてにくい。

(3)調乳の直前までミルトン希釈液に浸けておくので、衛生的に保管出来る。

(4)調乳したミルトン希釈液は24時間有効なので、1日に何回でも消毒出来る。

参照元:ミルトンの医薬品インタビューフォーム

 

「医薬品インタビューフォーム」については、ウィキペディアに次のように説明されています。

医薬品インタビューフォームまたはインタビューフォーム(略称IF)とは、処方箋医薬品添付文書では不十分な情報を補うために企業から提供される総合的な情報提供書である。日本病院薬剤師会が要領を策定して、作成と配布を製薬企業に依頼している。製品の薬学的特徴、製剤の安定性、注射剤の溶解後の安定性、使用上の注意の設定理由、毒性などどいった薬剤師が必要とする医薬品情報のうち、添付資料では十分に得られない情報を収載している。現行では、電子化(e-IF)により、PDFファイルにて配布されている。

薬剤師の業務においては、添付文書と共に常備すべきである。

参照先:医薬品インタビューフォーム

このように医薬品インタビューフォームは、製薬会社が作成・配布し、薬剤師が常備するものですから、そこに書かれているミルトンについての内容も信頼できるものと思います。

 

キッチンハイターは雑貨品

雑貨品は、品質、添加物ともに適当です。

漂白を目的としており、浸透を助けるための洗剤成分も入っています。

次亜塩素酸ナトリウム濃度も6%(製造時)と高いです。

消毒したあとは、必ず一度水洗いすることが必要です。

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ミルトンの次亜塩素酸ナトリウム濃度について

ミルトン使用後、すすがないでいいということは、次亜塩素酸ナトリウムを赤ちゃんがミルクと一緒に飲んでしまっているということでしょうか。

いいえ、違います。

ミルトンの次亜塩素酸ナトリウム濃度はとても低いですし、次亜塩素酸ナトリウムはミルクのタンパク質などの有機物と反応してすぐに分解されてしまいます。

ミルトンの医薬品インタビューフォームにも出ているように、ごくごく微量の食塩と水に分解してしまうのです。

自然の母乳に含まれる塩分濃度程度です。

このように、次亜塩素酸ナトリウムの大部分が分解して、その分解物はごく微量ということですから、次亜塩素酸ナトリウムが残留していたとしても、残留量は非常にとても低いことが想像できますね。

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ミルトンは危険でベビースイミングは安全なの?

妊娠中のマタニティースイミングから、出産後もベビースイミングを親子で楽しむ人もいますね。

でも、プールの水には水道水よりミルトンより濃い濃度の次亜塩素酸ナトリウムが含まれていて、週に何回もスイミングを楽しんでいる人は、ミルトンより濃い次亜塩素酸ナトリウムが何回も口に入っているのです。

スイミングは心配しないでミルトンだけを極端に心配するのはなぜでしょう。

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【ミルトン開発の背景】新生児下痢症の集団発生を防ぐ研究

1943年、イギリスの病院で、哺乳瓶・乳首の洗浄不十分が原因で、新生児下痢症が集団発生しました。

ミルクのタンパク質汚れは落ちにくいので、ミルクかすが膜になって残り、そこに細菌が繫殖して集団感染に至ったのです。

ミルトン・カンパニー研究所は、病院・産院・保健婦等の協力をもとに、衛生上の細菌学的調査を大規模に行いました。その結果、わかったのは、哺乳瓶は一度煮沸すれば安全とは言えないことでした。

哺乳瓶は使ったあと、ていねいに洗浄しないと、ミルクかすの膜ができて、煮沸により固まって落ちなくなり、細菌の繫殖場所になってしまうのです。

一日に何回も授乳し、それが長期間続くうちに、ミルクかすの膜が厚くなり、哺乳瓶はくもってきます。

この問題解決のために、イギリスの医療関係者が、加熱なしで哺乳瓶・乳首を消毒できる方法として「ミルトン」を開発し、成功させたのでした。

新生児を細菌感染から守ろうという、医療関係者の熱い思いがミルトンにはあったのです!

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6月から9月は食中毒のほうがこわい!

何を一番こわがらなければいけないかを、よく考えてみる必要があります。

  • 食塩に分解されてしまうミルトンをこわがるのか、
  • 弱い赤ちゃんが食中毒になるのをこわがるのか。

私は食中毒のほうがこわいです。

私は産後一か月は特に、体力消耗が激しくて体重もどんどん減りました。切迫早産入院を2か月したあと自然分娩で産みましたが、足はむくみでゾウの足のようになり、会陰切開のあとの回復も時間がかかっていたのです。

その中でも昼夜問わず授乳しなければならないのはほんとうにたいへんでしたので、

哺乳瓶の消毒は迷わずミルトンを使っていました。ミルトンが危険とうわさされているのは知らなかったのです。

しかし、やはりミルトンを使ってよかったと思ったのは、哺乳瓶のミルクかすによる曇りを体験していたからです。

体力ない中で疲れ果て、哺乳瓶を使用後、ベビー用洗浄で何度かブラシでよくこすって洗うところ、こすらずにベビー用洗剤でざっと洗って流すだけにしてからミルトンにつけたことが数回あったのですが、哺乳瓶が曇ってきたのです。

ブラシでよくこすって洗ってからミルトンにつけないと、ミルトンでも落ちきれないんだなと、

いい加減に洗浄して煮沸してしまったら、まともにミルクの膜がしっかりついて落ちなくなるなと。

ミルクの膜が厚くなれば、それが細菌感染の原因になるのですから、だらしない洗い方はできないなと思いました。

ミルトン開発の医療関係者の思いを知ると、ミルトンは危ないといううわさを鵜吞みせずに、その成分についてよく知り、ミルトン開発者とともに赤ちゃんを細菌感染から守りたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

冒頭でお話しましたように、哺乳瓶消毒には、ケースに入れて電子レンジで行うタイプのものもあります。

その場合も、電子レンジで加熱前する前に、ベビー用洗剤でブラシを使ってよく洗浄し、ミルクのタンパク質汚れを落とすことが大事です。

 

通常の食器洗剤は、油汚れを落とすことに力を入れていますから、タンパク質汚れを落とすには、タンパク質汚れに強いベビー用の洗剤で洗わないと落ちにくいのです。

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ミルトンとハイターは同じ成分?次亜塩素酸ナトリウム濃度の違いから安全性を検証!まとめ!

今回は、ミルトンとキッチンハイターの成分の違いと安全性についてご紹介しました。

  • ミルトンとキッチンハイターの成分は、同じ次亜塩素酸ナトリウムですが、次亜塩素酸ナトリウム濃度が全く違います。
  • ミルトンは医薬品、キッチンハイターは雑貨品です。
  • ミルトンの安全性については、ミルトンの医薬品インタビューフォームに詳細に明記されています。
  • ミルトンは、新生児下痢症の集団発生を防ぐために、イギリスの医療関係者が、加熱なしで哺乳瓶・乳首を消毒できる方法として開発・成功させました。ミルトンには、新生児を細菌感染から守ろうという、医療関係者の熱い思いがありました。

プールの水には水道水よりミルトンより濃い濃度の次亜塩素酸ナトリウムが含まれているのに、ベヒースイミングについては心配しないのはなぜでしょう。

何を一番こわがらなければいけないかを、よく考えてみる必要があります。

  • 食塩に分解されてしまうミルトンをこわがるのか、
  • 弱い赤ちゃんが食中毒になるのをこわがるのか。

私は食中毒のほうがこわいです。

 

私はミルトンは危ないといううわさを鵜吞みせずに、ミルトン開発者とともに赤ちゃんを細菌感染から守りたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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