産後、授乳でたいへんな時期を過ぎてしばらくすると、次に気になるのは離乳食の開始時期ですね。
離乳食は大きなステップ。我が子の成長に合わせ、適切な時期から始めることが重要です。
4ヶ月では早すぎるかしら、5ヶ月がいいのか、6ヶ月でもいいのか、みんなはどうしているんだろうと心配になります。
今回は、
- 離乳食いつから始めた? 厚生労働省のアンケート乳幼児栄養調査からわかることは?
- 実際に経験した離乳食開始のベストタイミングについて
詳しくお話いたします。
この記事を最後まで読むと、赤ちゃんのお食事に関わる咀嚼(そしゃく)機能の発達と離乳食の栄養の必要性から、ベストタイミングを見つけて離乳食を始めることができるようになります。
厚生労働省やWHO(世界保健機関)からの信頼できる情報と実際の体験により、ママが自信をもって離乳食をスタートできるようにサポートしますよ(^^♪
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離乳食いつから始めた?アンケート結果
厚生労働省の平成17年乳幼児栄養調査と平成27年乳幼児栄養調査のアンケート結果を見ると、離乳食開始時期の変化がわかります。
平成27年では、6ヶ月開始がいちばん多くなっています。
離乳食6ヶ月で開始がいちばん多い!
厚生労働省の平成17年度乳幼児栄養調査を見ると、驚くことに昭和60年の時点では、離乳食を4ヶ月で始める人がいちばん多くなっていました。ところが、離乳食を4ヶ月で始める人は、平成7年、平成17年にかけて減少しています。
一方で、5か月で始める人、6ヶ月で始める人がそれぞれ増加して、平成17年には5ヶ月が最多になっています。
さらに、平成27年度乳幼児栄養調査結果では、6ヶ月の割合が最も高くなりました。
平成27年度乳幼児栄養調査結果
離乳食開始時期:
- 「生後6ヶ月」から始めた人が44.9%
- 「生後5ヶ月」から始めた人が40.7%
- 「生後5ヶ月未満」から始めた人が2.1%
離乳食完了時期:
- 12カ月で完了するケースが減少
- 13~18ヶ月で完了するケースが増加
↓厚生労働省のアンケート調査資料はこちらから↓
- 第4回「授乳・離乳の支援ガイド(仮称)」策定に関する研究会資料(平成19年1月31日開催)の「離乳編」
- 平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要:「第1部 乳幼児の栄養方法や食事に関する状況」
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2007年版)では、離乳食の開始時期を「生後5ヶ月になった頃」としていましたが、
12年後に改訂された授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版平成19年3月)においては、離乳食の開始時期を「生後5,6ヶ月頃」と変更しました。
離乳食4ヶ月で始めるは早すぎる理由
生後4ヶ月未満の赤ちゃんは、自分の意志で舌の動きを十分にコントロールできません。この時期に離乳食をあげようとしても、口から食物を押し出してしまいます。
新生児から生後4ヶ月までの赤ちゃんは、晴乳反射という動きで母乳やミルクを摂取しています。これは自分の意志とは関係ない反射的な動きで、口のまわりに触れたものに対して口を開き、口に入ってきたものに対してチュチュと吸います。
晴乳反射は、生後4~5か月から少しずつ消え始め、自分の意志で舌の動きをコントロールできるようになっていきます。
生後4ヶ月よりも、5ヶ月のほうが、晴乳反射による動きが少なくなってきますので、咀嚼(そしゃく)機能が発達する5、6ヶ月から離乳食を始めるのがよいのです。
また、WHO(世界保健機関)の Complementary feeding: Family foods for breastfed children 「補完食:母乳で育っている子どもの家庭の食事」では、生後4ヶ月間、できれば6ヶ月間は母乳のみで育てることを推奨しています。母乳は下痢などの感染症から赤ちゃんを守ってくれます。
- 咀嚼(そしゃく)機能の発達
- 母乳による感染症防止
↑これらの点から、生後4ヶ月ではまだ離乳食をあげるのはまだ早いことがわかります。↑
離乳食6ヶ月には始めたい理由
生後約6ヶ月以降は、母乳だけでは特に鉄分が不足しはじめます。離乳食で必要な栄養を補う必要が出てくるのです。
また、国立成育医療研究センターの研究では、生後6ヶ月で卵を食べさせると、1歳になったときの卵アレルギーの発症を8割予防できることがわかりました。
卵の開始時期については、授乳・離乳の支援ガイドの2007年版では7〜8ヶ月でしたが、2019年版では5〜6ヶ月と早くなっています。
- 生後6ヶ月以降は母乳だけでは鉄分などが不足しはじめる。
- 生後6ヶ月から卵を食べさせると卵アレルギーを予防できる。
↑これらの点から、生後6ヶ月には離乳食を始めたいということがわかります。↑
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実際に経験した離乳食開始のベストタイミングについて
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版平成19年3月)によると、離乳食の開始時期は「生後5,6か月頃」が推奨されています。
必ず5ヶ月から開始ではなく、5ヶ月からでも6ヶ月からでもいいということを覚えておきましょう。
わたしは娘のときは、5ヶ月と6日目から始めました。
離乳食を始めるときの赤ちゃんのサイン
赤ちゃんの発達は個人差があります。よく観察して、離乳食を始められるサインを見極めましょう。
厚生労働省の生後5か月からの「離乳スタートガイド」には、次のようなサインが記されています。
- 首の座りがしっかりしている
- 5秒くらい座れる
- 大人の食べているものに興味を示す
- スプーンなどを口に入れても舌で押し出すことが少なくなる
わが家では、5ヶ月と6日目の朝10時から離乳食を始めました。その3日前に寝返りができるようになっていて、首の座りがとてもしっかりしてきました。
ご機嫌で食べるときもあれば、泣いていやがるときもありで、娘のペースに合わせてゆっくりゆっくり進めました。
厚生労働省の生後5か月からの「離乳スタートガイド」でも次のように書かれています。
離乳は行きつ戻りつでも大丈夫です
他のおうちの赤ちゃんと比べる必要はありません。思うように食べてくれないと気をもむ必要もありません。
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離乳食はつぶしがゆ(十分粥)から
離乳食を進めるときの食材の順番は次の通りです。
- お粥
- 野菜や果物
- 豆腐や白身魚
- 固ゆでした卵黄
↑このような順番で、最初は離乳食用のスプーン1杯から、すりつぶしたり裏ごししたりしたものを少しずつあげて、いろいろな食材を体験させてあげましょう。↑
↓わが家の離乳食のはじめを、当時の育児日記からご紹介します↓
- 5ヶ月と6日目から、つぶしがゆ(10分粥)をさらに裏ごししたもので離乳食を開始
- 5ヶ月11日目にはつぶしがゆ(10分粥)とかぼちゃの裏ごし
- その後、いろいろな野菜やバナナ・リンゴなどの裏ごしを追加
- さらに、タンパク質の豆腐、しらす干し、タイをすりつぶして、こぶだしで割ったものを追加
赤ちゃんにスプーンで食べさせてあげるにはコツがあります。
- スプーンを下唇の上にちょこんと置き、口が開いて取り込むのを待つ。
- 上くちびるで挟んで取り込むのを待ってから、スプーンをゆっくり水平に引く。
「ごっくん」がまだ上手にできない赤ちゃんに、スプーンを傾けて流し込むようにあげてはいけないし、上あごにこすりつけてもいけないのです。
離乳食で最初に使ったスプーンを記念に大切に保管しておくと、大きくなって見せた時に笑って喜んでくれますよ(^^♪
わたしにとっても嬉しい宝物です。
↓下はその離乳食用スプーンです。娘のファースト・スプーンです。大きさがわかるように、普通サイズのおはじきといっしょに撮影しました。↓
わが家の娘の場合は、離乳食初日、つぶしがゆをさらに裏ごししたもので、この小さなスプーンに半分の量を、ふた口で食べました。
ひと口目は、食べる前に自分で触ってなめて確かめていましたね。
ふた口目は、私が支えているスプーンを自分で握ってパクっときました。
そして、「ごっくん」をした感触に驚いて大泣きしたので、初日はそこまでで終了しました。
10日もたつと慣れてきて、つぶしがゆを落ち着いて4口、キャベツやかぼちゃの裏ごしを3口食べるようになりました。
18日目には初めてバナナペーストを食べて、目をまるくして嬉しそうにしました。20日目のトマトペーストのときも、同じように目をまるくして喜んでいます。
30日目には、つぶしがゆをさらに裏ごししなくてもよく食べるようになりました。食べるスピードも出て、食欲も見せています。でも、しらす干しや豆腐の裏ごしは、片栗粉でとろみをつけないと食べにくいようでした。そして、どうやら、しらす干しよりもタイのほうが好きらしくて、タイはよく食べました。
「厚生労働省 ☆生後5か月からの「離乳スタートガイド」 別添スケジュール」
↑こちらには、つぶしがゆから始める離乳食スケジュールが詳しく書かれていますので、ママの強力な助けになりますよ(^^♪
離乳食が下の表のように4つの段階に分けて説明されています。
段階 | 月齢 | 回数 | 食べ物の硬さ |
離乳食初期 | 生後5~6ヶ月頃 | 1日1回 | ペースト状 |
離乳食中期 | 生後7~8ヶ月頃 | 1日2回 | 豆腐くらい |
離乳食後期 | 生後7~8ヶ月頃 | 1日3回 | 食べ頃のバナナくらい |
離乳食完了期 | 生後12~18ヶ月頃 | 1日3回+補食1~2回 | 肉団子くらい |
離乳食で卵も6ヶ月で始めましょう
この記事の前半で、「離乳食を6ヶ月には始めたい理由」として、「生後6ヶ月から卵を食べさせると卵アレルギーを予防できる」ということをお話しましたね。
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2007年版)では、卵をあげる開始時期を「生後7〜8ヶ月」としていましたが、
12年後に改訂された授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版平成19年3月)においては、卵の開始時期を「生後5〜6ヶ月」と変更しました。↓
食物アレルギーへの対応
食物アレルギーの発症を心配して、離乳の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はないことから、生後5~6か月頃から離乳を始めるように情報提供を行う。
また、国立成育医療センターが2016年12月9日に発表した「離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見」の研究によると、生後6ヶ月より固ゆで卵を少量ずつ摂取させると、1歳時の鶏卵アレルギーの発症率が約8割減少することがわかりました。
この結果により、卵アレルギーをやたらとこわがるのではなく、しっかり加熱した卵黄から与えるというポイントを押さえれば、むしろアレルギー予防になるということがはっきりわかります。
十分粥、野菜・果物、豆腐・白身魚に慣れてくるのにひと月ぐらいかかるでしょう。その後、固ゆでした卵黄へと進みます。
生後5ヶ月で離乳食を始めれば、タンパク質にも慣れたひと月後の生後6ヶ月始めには卵の卵黄を始めることができます。
わが家の場合は、卵をあげる時期について、まだ授乳・離乳の支援ガイド(2007年版)の「生後7〜8ヶ月」とされていた時代でしたので、7カ月から始めました。
現在でしたら、離乳食を始めてからひと月後、いろいろな食材に慣れてきた頃に卵を始めたいものですね。
離乳食を6ヶ月から始めた場合、6ヶ月目の最後にはタンパク質にも慣れてきて卵の卵黄を始めることができますね。
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離乳食いつから始めた?アンケート結果と実際に経験したベストタイミングについて徹底解説!まとめ
今回は、
- 離乳食いつから始めた? 厚生労働省のアンケート乳幼児栄養調査からわかることは?
- 実際に経験した離乳食開始のベストタイミングについて
詳しくお話しました。
平成27年度乳幼児栄養調査結果では、6ヶ月の割合が最も高くなりました。
厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2007年版)では、離乳食の開始時期を「生後5ヶ月になった頃」としていましたが、
12年後に改訂された授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版平成19年3月)においては、離乳食の開始時期を「生後5、6ヶ月頃」と変更しました。
離乳食は、必ず5ヶ月から開始ではなく、5ヶ月からでも6ヶ月からでもいいということです。
卵をあげる開始時期については、厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイド(2007年版)では「生後7〜8ヶ月」としていましたが、12年後に改訂された授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版平成 19 年3月)においては「生後5〜6ヶ月」と変更しました。
赤ちゃんの発達に合わせて、他の赤ちゃんと比較することなく、気長にゆったりと離乳食を進めていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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