パンジーが咲き終わるころ、黒くて背中にオレンジの筋があり、
黒とオレンジのトゲトゲがある派手な毛虫がたくさん発生することがあります。
かなり目立つ容姿でこわいくらいです。
ひと晩でパンジーやスミレを丸坊主に食べ尽くしてしまうこともあります。
ガーデニングが好きなママは、この毛虫、子供が触って大丈夫かしらと心配します。
この毛虫の正体はツマグロヒョウモンというチョウの幼虫です。
[quads id=2]
ツマグロヒョウモン幼虫!毒はなし!
気味の悪さから、蛾(ガ)の幼虫かと思ってしまいますね。
でも、蛾(ガ)ではありません。
ツマグロヒョウモンというきれいなチョウの幼虫です。
そして、一番心配な毒ですが、安心してください、毒はありません。
ツマグロヒョウモン幼虫は擬態している!
ツマグロヒョウモンの幼虫は、体長30~40mmくらいです。
背中のオレンジの筋も派手ですが、トゲトゲが異様さを増していますね。
このトゲのような突起は黒いものとオレンジ色のものがあって不気味ですが、
刺してくることもなく、毒も持ちません。
子供が触ってしまっても無害です。安心してくださいね。
ツマグロヒョウモンは身を守るために、
有毒のチョウ、カバマダラに擬態しているので、こんなにグロテスクなのです。
毒があるカバマダラに姿を似せて、「毒があるんだぞ~!」と
有毒のふりをして、鳥などに食べられないように身を守っているのですね。
毒のあるカバマダラは南の国のチョウで、
日本で見られることはまれなので、安心してくださいね。
ツマグロヒョウモンは、成虫になっても害はありません。
[quads id=2]
ツマグロヒョウモン幼虫の発生を防ぐ方法は?退治できる?
数が少なければ、ひとつひとつ割り箸で取り除くのですが、
大量発生するととても取り切れませんね。
パンジーだけでなく、道路のアスファルトの割れ目に育ったスミレにもついて、
丸坊主に食い尽くしたあげくに、住宅の壁に20匹以上よじ登ってさなぎになっていたこともあります。
このように大量発生する前に、オルトラン粒剤をまいて防除すると良いでしょう。
オルトラン粒剤は、発売以来40年近く経っていますが、
人や環境への影響が少ないという安全性が評価されており、
しかも効果も高いということで、
ガーデニング愛好家には人気です。
GF オルトラン粒剤(家庭園芸用) 200g入(散粒容器入)
ツマグロヒョウモン幼虫の発生時期は?
ツマグロヒョウモンは、4月から11月ごろまでに4~5回も繫殖します。
幼虫が食べるスミレやパンジーに卵を産み付けますが、
スミレやパンジーの近くの木の幹や、地面の枯葉・枯枝などにも卵を産み付けます。
ワサビの葉が丸坊主にされることもあります。
夏の成長は早く、孵化から2週間で幼虫からサナギになります。
初夏には孵化からサナギになるまでひと月はかかります。
サナギからチョウになるのは、季節差はなく、早くて1週間かかります。
越冬するときは、幼虫またはサナギの状態です。
こうして、冬以外はいつでも発生するので、ガーデニング愛好家としては手強い相手ですね。
[quads id=2]
ツマグロヒョウモンと温暖化
ツマグロヒョウモンの分布域は、アフリカ、インド、インドネシア、オーストラリア、中国、朝鮮半島、日本の熱帯・温帯域でした。
日本では、1980年代までは、近畿地方以西でしか見られませんでした。
しかし、1990年代以降には、東海・関東南部、富山県・新潟県平野部でも生息が確認され、
2006年には関東北部でも定着してしまいました。
温暖化、都市部のヒートアイランド現象で、冬でも越冬可能な気温が維持されるようになったことも、ツマグロヒョウモン生息域北上の原因となっています。
昔は見たことのなかったツマグロヒョウモンの幼虫を見ると、地球温暖化を実感します。
温暖化だけでなく、ツマグロヒョウモンの幼虫がスミレ科の植物をよく食べるので、
ガーデニングの普及と流行で、パンジーの苗の流通が盛んになったことも、
ツマグロヒョウモンの卵や幼虫を運んで分布を広げる要因になったとも言えます。
温暖化だけでなく、ツマグロヒョウモンの幼虫がスミレ科の植物をよく食べるので、ガーデニングの普及と流行で、パンジーの苗の流通が盛んになったことも、ツマグロヒョウモンの卵や幼虫を運んで分布を広げる要因になったとも言えます。
[quads id=2]
ツマグロヒョウモン幼虫毒性と駆除法は?黒くてオレンジの斑点がある幼虫が大量発生!まとめ
- 黒とオレンジのトゲトゲがある派手な毛虫がパンジーやスミレによくついています。
- ツマグロヒョウモンというチョウの幼虫で、体長30~40mmくらいです。蛾の幼虫ではありません。
- 背中にオレンジの筋があり、トゲのような突起がありますが、刺してくることもなく、毒も持ちません。子供が触ってしまっても無害です。
- ツマグロヒョウモンは身を守るために、有毒のチョウ、カバマダラに擬態しています。
- 毎年、大量発生して困るときは、事前にオルトラン粒剤をまいて防除すると良いでしょう。
- ツマグロヒョウモンは、日本ではもともと近畿地方以西でしか見られませんでしたが、温暖化などの影響で生息域が北上し、2006年には関東北部でも定着しています。
コメント