母子分離不安とは?乳幼児と幼稚園児の違いは?登園拒否登校拒否になっても焦らないで!

育児

将来、わが子が母子分離不安を強く抱かないようにできる育児のコツとはなんでしょうか。

入園入学という来たるべき将来に向けて、乳幼児のうちからできることはなんでしょうか。

 

入園入学シーズンが近づくと、

保育園幼稚園に入園する子をもつママは、「うちの子は泣かないかしら、大丈夫かしら」と

心配になります。

小学校入学となると、新しい環境でしっかりやっていけるかとやはり一抹の不安がよぎるものです。

母子分離不安は、大きくなっていくうちにあまり表面化しなくなりますが、

多くの子どもたちは、かなり大きくなっても、ママと離れることには不安を感じていて、

でも、健気にがんばっているようです。

 

乳幼児期の母子分離不安

育児が成功しているあかし

赤ちゃんの認識能力が発達する8ヵ月頃から、母子分離不安の状態が見られるようになります。

赤ちゃんはママが抱っこしていないと泣いてしまうことが多いですね。

抱きぐせがつくと言われますが、「この人はママなんだ」と認識している証拠で、

健全な発達のあかしです。ママと赤ちゃんの絆ができている証拠です。

 

立っちできて歩けるようになると、おうちの中にいてもママが見えないだけで泣いて、

必死に探して 後追い します。

ママがあとで戻ってくるから大丈夫ということがまだ想像できないのです。

記憶能力が向上するにはもう少し成長を待たなくてはならないのですね。

ママが目の前にいても、ぴったりくっついていたいのです。

 

わが家では、1歳のころ、写真館スタジオアリスで誕生日記念撮影をしたのですが、

ひとりで立っちして撮影されるのも、さみしくて不安なんですよね・・・

ママが目の前にいても「離れないで~!!!」というように手を伸ばして

「ふぇ~~~ん!!!」と号泣するのは、他の1歳の子たちも同じ反応で、

中にはママのところに行きたい一心で、撮影の際に初めて あんよ をして、

めでたく「初あんよ記念」の撮影になったご家庭もありました。

 

5歳ぐらいになってから、写真館スタジオアリスでの1歳の撮影時の動画を娘に見せて

どうして泣いていたの?と聞くと、「ママ離れちゃイヤ~って言ってるんだよ」

と解説してくれました。

 

3歳になって幼稚園入園前の説明会のとき、たくさんのママと子供たちが集まりましたが、

ここで多くのママが口々に言っていたのは「言うこと聞かなくてたいへんよ~~」とか、

「ママがちょっと見えないとすぐ泣いちゃうの、

ひとりでトイレにも行けないし、ベランダに洗濯ものも干せないの!たいへん!」

ということでした。

まだまだイヤイヤ期からも抜けないし、ママにぴったりくっついていたい時期なのです。

 

乳幼児期の母子分離不安への対応は?

ママが赤ちゃんのそばから離れるときは、「トイレに行ってくるよ」とか

「キッチンにいるよ」とか「洗濯物を入れてくるね」など、

まだ言葉がわからなくても声をかけるのが大事です。

言葉が理解できなくても、ママの声に込められた気持ちは通じます。

私は娘がまだ新生児のうちから、トイレに行くなどで離れるときは

「すぐ戻るから待っててね」と声をかけてから離れました。

そのせいか、とても安心感の強い落ち着いた赤ちゃんに成長しました。

あまり派手な後追いもせず、落ち着いてニコニコして待っていてくれることが多かったです。

トイレに行くだけで激しく後追いして泣かれるなどということがあると、

ママも疲れてイライラしてしまうかもしれませんが、

赤ちゃんはママを困らせようとしているのではないので

泣いてもしからないようにしましょうね。

授乳、おむつ替えなど毎日のお世話の中で、スキンシップや話しかけ

たくさんのコミュニケーションをすると、絆がどんどん太く深くなり

赤ちゃんの安心感が豊かに育ちますよ。

 

 

3歳以降の母子分離不安

環境の変化での母子分離不安

3歳以降で起きる母子分離不安は、

環境の変化や子供の性格・気質などが原因となります。

いちばん大きな環境の変化は保育園幼稚園入園ですね。

うちの娘は途中で転園したので、二つの幼稚園を体験したのですが、

最初の幼稚園は園児数の多いマンモス校で、大人の目線で園児たちをキッチリと

管理していく方針でした。

入園してすぐの子どもたちはみんな、初めてママから離れて不安でいっぱいです。

年少さんのうちは、トイレに行くのも先生が付きっきりのようでした。

娘は、トイレで先生と二人きりになったときにさみしさを打ち明けて

「ママとず~~~~っといっしょにいたい・・・」と先生に泣いて話すこともあったと、

あとになって話してくれました。しかし、そのたびに先生に強くしかられた

またさみしそうにします。

この幼稚園は、子供たちがストレスで体調を崩す例も多く、娘は忙しい先生に2回も手を引っ張られて

ひじを外されました。先生の目の前で転んでひじを外したこともあり、

お友だちや先生のいじわるにも困り果てたので、年中から他の幼稚園に転園したのでした。

母子分離不安に対しては、決してしからないということが大事ですね。

転園先の幼稚園は、子供主体の幼児教育を実践している幼稚園で、

小さな年少さんの子供たちの母子分離不安も十分に考慮していました。

教室で「ママがいな~~い!!!」と大声で泣く子がいてもしかることなく、

先生が抱っこして慰め、さみしい気持ちをしっかり受け止めて慰めます。

先生の胸元を涙と鼻水でぐしょぐしょにしながら、先生にこうして受け止めてもらって

先生に甘えることを体験し、先生に信頼することを覚えて

ママから離れたところでの世界を広げていくのです。

座っている先生のスカートに顔を埋めて甘えている男の子の姿は、

まさにママに甘えている坊やの姿そのもので、先生は第二のママでした。

 

母子分離不安を強くしかられると心に傷ができます

娘は転園前の最初の幼稚園で、母子分離不安を先生につよくしかられて

すっかり元気をなくしました。入園前の積極的な性格が、すごく消極的な性質になってしまいました。

転園先の二つ目の幼稚園では、担任の先生はとても優しかったのですが、

ひとりだけキツイ先生がいて、年長の夏休みのお泊まり会のときに

娘がパパママが恋しくなって泣いてしまったとき、

もう一人の泣いている子のことは抱っこして慰めているのに

うちの娘には、「帰りたいのっ?! バイバイッ!」と言って突き放したのです。

いっぺんに複数の子がホームシックになって泣いたことで、先生はイライラしてしまったのです。

「つられて泣くんじゃない!!」と強く怒られたそうです。

その後、娘は2学期からしばらく登園しぶりになりました。

激しく泣いて幼稚園バスに乗るのを嫌がることもありました。

夏休みのお泊まり会で、つられて泣いたんじゃない、ほんとうにパパママに会いたかったんだよ、

とだけは私に話していましたが、

娘が夏休みのお泊まり会で先生に強く怒られてつらかったことを私に打ち明けたのは、

なんと小学2年生になってからです。先生のことを悪く言ってはいけないと思って

我慢していたそうです。

 

母子分離不安を強く怒られると、子供は心に深い傷を負います。

 

密接すぎるママとの関係も原因になることはあるけど・・・

当時、登園しぶりの原因が先生にあるとは知らなかった私ですが、

保育参観などでママが幼稚園に行くと別れ際に娘が泣くことが増えて、心配していると、

園長先生は、私が過保護過干渉で心配しすぎているからそこに原因があると言われました。

 

母子分離不安の原因に、日頃の母親の過干渉、心配しすぎ、つまり、

母子関係が密接になりすぎているという例は確かにあるようです。

 

しかしうちの娘の場合、小学2年生になってからの打ち明け話によって

原因はママの私ではなく、幼稚園の先生ということがはっきりわかりました。

パパママから離れているさみしさを夏休みのお泊まり会で否定されて

よけいに母子分離不安がひどくなってしまい、登園しぶりまで引き起こしていたのです。

登園しぶりと母子分離不安

当時はママの私に「心配しすぎ」という原因があると、園長先生から言われていたので、

娘が幼稚園バスを嫌がっても、過保護にしてはいけないと

なんとかなだめて無理やりバスに乗せていました。

今となってみると、あのとき幼稚園を十分に休ませてゆっくり娘の気持ちを

確かめていたら、娘は夏休みのお泊まり会で怒られてつらかったことを

打ち明けてくれたかもしてないと後悔しています。

 

世間は子供になにかあると、いとも簡単に母親のせいにします。

でも、その声を鵜吞みにしてはいけないこともあるのです。

大事なのは、子供自身の気持ちです。

子供の気持ちへの共感があってこそ、子供はつらいことを乗り越えられるのです。

 

札幌トモエ幼稚園のお話

「最も子どもの立場に立てる」のがお母さん

登園拒否について悩んでいたとき、札幌トモエ幼稚園のサイトに出会いました。

我が家は札幌からはずいぶん離れた県にありますので、こちらに通園は無理ですが、

登園拒否についてのお話は、とても参考になりました。

首に縄を付けて幼稚園に引っ張っていくようなやり方は、子どもの人格を無視したやり方といえます。

幼稚園関係者の中にも、園バスのバス停で泣いている子のお母さんに

「1週間も無理して乗せれば、あきらめて泣かないようになります」などと

いう人がいるといいますが、そんな人格無視は許されるべきではないと考えます。

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子供の人格は、子供だからといって軽く見てはいけません。

大人のやり方を無理強いすることは、子供をただ支配するだけです。

今となると、あのとき私は母親である自分自身の直感を信じて、

もっと娘を心配すればよかったと後悔しています。

札幌トモエ幼稚園では、

やはり、「最も子どもの立場に立てる」のがお母さんのようです。

と言っています。

お友だちに嫌なことされたのが登園拒否の原因だったとしても・・・

もし、お友だちに嫌なことをされて登園拒否になったとき、

その子が反省して「もうやらない」と言ったとしても、まだ登園拒否が続く場合があります。

トモエ幼稚園では、そのようなときの子どもの気持ちについて次のように言っています。

・・・その子にとっての幼稚園が、以前に自分が適応していた世界ではなくなってしまったからです。

世界が変わったのです。

(嫌なことをした)○○ちゃんが問題というよりは、

「それまで(自分の適応能力で)うまくいっていたのに、うまくいかないこと」が見つかってしまったこと

が問題なのです。

また同じようなことが、あるいはそれ以上のことが起きるかもしれないことを

知ってしまったのです。

・・・よく考えてみると、そのことは歓迎すべきことでもあります。

それは、その子の世界観が広がろうとしているからです。

それは同時に、それまでの適応能力を広げるチャンスを意味します。

適応能力を広げるためには、子どもへのあたたかい共感が必要です。

共感さえあれば、あたたかい安心感の中で子どもは自分のペースでじっくり悩み、

次のステップへ進むことができます。

子どもの話をよく聞こう

親が子供の話をよく聞けば先生も助かる!

娘は幼稚園を卒業し、もうすぐ小学3年生になります。

お友だちのいじわるに悩むことも多く、1日登校拒否なんてこともありました。

ただ、小学校の先生がたはほんとうに子どもの気持ちをよく聞いてくださって、

母親の私についても一度も「過干渉」「心配しすぎ」と言ったことはありません。

むしろ、母親の私が子どもの気持ちをじっくりよく聞いて受け止めていて、

先生に詳しく伝えるので、先生もすごく助かると喜んでくださっています。

幼稚園の園長先生は私に「もっと子どもを手放しなさい」と言いましたが、

小学校の先生がたは「これからもお子さんのお話をたくさん聞いて受け止めてあげてください、

それが一番いいことです。いつも助かります!」と言ってくださるのです。

 

小学生になってもママの存在が拠り所!

小学1、2年生になったからと言って、もうひとりでやっていけるということはありません。

もう幼稚園じゃないんだからと親は思っても、

入学式という節目はあくまでも大人が作った線引きに過ぎません。

特に1年生は、去年までは幼稚園児でした。小学生になったからと言って、

突然急成長するわけではないのです。2年生になっても、教室で、「ママがいない」と言って

泣き出す子もいるそうです。授業参観の後でママが帰ろうとすると、激しく泣き出す子もいます。

かといって、そのような子がすべて登校拒否になるわけでもなく、

母子分離不安を抱えながら、健気に通学しています。

2年生の娘の担任の先生は、男性ですが、とても細かい配慮ができる優しい先生で、

男の子は先生を呼ぶときに間違えて「おかあさ~ん」と言ってしまい、

「あ、まちがえた、せんせ~」と言うそうです。

離れていても、子どもたちの心には、拠り所としていつも「おかあさん」がいるのです。

子どもは親が想像する以上に親のことを愛しています。

誠実に、誠意をもって、真摯に子どもと向き合うなら、

親子の絆は深く太くなり、素晴らしい実りをたくさん得るようになるでしょう。

子どもとともに、子どものペースで、手を取り合って前進しましょう!!

 

 

 

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