子供のカフェインの摂り過ぎはよくないとは知っていても、
具体的にどのくらいまで摂ってもいいのか、
どのくらいからが摂り過ぎなのか、わかりにくいですね。
今回は子供のカフェイン摂取量の上限について、
コーヒーやお茶ならどのくらいまで飲んでいいのかというところまで
具体的にお話いたします。
子供のカフェイン摂取は45㎎を超えてはいけない?
日本ではカフェイン摂取の基準値についての規定は特に定められていないのですが、
厚生労働省や農林水産省では海外の基準を示して過剰摂取に注意を促しています。
カフェイン摂取についての基準設定は海外では進んでいて、研究もさかんです。
小さな子供が一日45mg以上のカフェインを摂ると、夜中に目がさめたり、
だるそうにしているようすが増えてくるとのことです。
わかりやすいカナダ保健省の、子供のカフェイン摂取量基準を見てみましょう。
カフェイン摂取量の許容量は年齢ではなく体重で決まる
カフェイン摂取は年齢で判断するのではなく、体重で決まります。
カナダ保健省では、体重で1㎏当たり2.5㎎としています。
カフェイン摂取量カナダ保健省の基準は?
- 4~6歳 1日45㎎未満
- 7~9歳 1日62.5㎎未満
- 10~12歳 1日85㎎未満
カフェイン45㎎というと、
緑茶では225㎖、紅茶では、150㎖、 コーヒーでは75㎖ となります。
元東京福祉大学教授栗原久先生の研究では?
日本でカフェイン研究を行う栗原久先生は、
カフェイン摂取が子供の脳の発達を邪魔する可能性があるということから、
カナダ保健省よりも厳しい基準を勧めておられます。
- 4~6歳 1日25㎎以下
- 7~12歳 1日50㎎以下
子供は大人よりもカフェイン摂取による悪影響が心配です。
福井大学子どものこころの発達研究センターの鈴木太准教授は、
カフェイン過剰摂取が不登校や不眠といった影響を与えると指摘されています。
子供のカフェイン摂取は、カナダ保健省よりも厳しい栗原先生のカフェイン摂取基準を参考にしたほうが安全です。
3歳以下については、栗原先生はカフェイン摂取を一切避けることを勧めておられます。
多くの小児科のお医者さんたちも、子供のカフェイン摂取は、
睡眠の質の低下や頭痛などの悪影響を与えるので、避けることを勧めています。
子供にカフェインを含む飲み物はどのくらいまでOK?
乳幼児をもつママたちが、カフェインを含む飲み物として
わが子にどのくらいまで与えていいか、いちばん迷うのが
緑茶 です。
風邪やインフルエンザの時期に、殺菌力のある緑茶を飲ませたいけれど、
どのくらいまでならOKか、知りたいですよね。
緑茶ウーロン茶ほうじ茶は子供にどのくらい与えていい?
緑茶(煎茶)、ウーロン茶、ほうじ茶は、100㎖あたり約20㎎のカフェインが含まれています。
(全日本コーヒー・食品安全委員会・日本食品標準成分表2015年版より)
カフェインを心配するママたちは、緑茶についてはカフェインを気にしますが、
ほうじ茶はカフェインが少ないと勘違いしているママが多いです。
意外と知られていないのですが、実際は、
ほうじ茶は緑茶と同じ量のカフェインが含まれています。
緑茶(煎茶)、ウーロン茶、ほうじ茶を子供に1日にどのくらい与えてよいか、
栗原先生お勧めのカフェイン摂取量で許容量を考えると次のようになります。
- 4~6歳 ・・・1日 125㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日 250㎖以下
水筒にお茶を入れて幼稚園や小学校に、持っていくときに、
ノンカフェインの麦茶が嫌いだからと言って、ほうじ茶を入れて持たせているママがいますが、
小学6年生の12歳になっても、ほうじ茶の1日許容量は250㎖以下ですから、
800㎖入りの水筒にほうじ茶をいっぱいに入れていくと、
カフェインの摂り過ぎになってしまいます。
子供の水筒にはノンカフェインのお茶を入れることをお勧めします。
風邪をひきにくいようにと緑茶をあげるときも、飲ませすぎには注意しましょう。
抹茶・玉露入りの煎茶はカフェイン含有量がとても多くなるのでやめましょう。
抹茶・玉露100㎖に含まれるカフェイン含有量は、次のように、コーヒーを上回ります。
- 玉露 約160㎎
- 抹茶 約64㎎
- コーヒー 約60㎎
緑茶でうがいするのなら、飲まないのでカフェインの心配はありませんが、
緑茶ウーロン茶ほうじ茶を、3歳以下の小さな子や赤ちゃんに飲ませるのは、
脳の発達ということを考えると、たとえ水で薄めても避けたほうが安心です。
4歳上でどうしてもほうじ茶を飲ませたいときは、低カフェインに加工されたものがおすすめです。
玄米茶・番茶・かまいり茶はカフェイン少なめ!
お茶の中でも玄米茶・番茶・かまいり茶はカフェイン含有量が少なめです。
100㎖あたりのカフェイン量はともに約10㎎です。
玄米茶・番茶・かまいり茶を子供に1日にどのくらい与えてよいか、
栗原先生お勧めのカフェイン摂取量で許容量を考えると次のようになります。
- 4~6歳 ・・・1日 250㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日 500㎖以下
紅茶は子供にどのくらい与えていい?
紅茶は、100㎖あたり約30㎎のカフェインが含まれています。
子供と一緒にティータイムを楽しめたらいいなあと思うママもいますね。
ミルクティーならいいでしょうという声も聞こえてきますが、
残念!ミルクを加えてもカフェインは中和されませんし、減ることはないのです。
でも、ミルクを加えると、カフェイン吸収スピードが穏やかになって、胃を守ることができます。
ですから、子供や胃酸過多の人はミルクを加えるといいのです。
紅茶を子供に1日にどのくらい与えてよいか、
栗原先生お勧めのカフェイン摂取量で許容量を考えると次のようになります。
- 4~6歳 ・・・1日 約83㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日 約166㎖以下
コーヒーは子供にどのくらい与えていい?
コーヒーは、100㎖あたり約60㎎のカフェインが含まれています。
ちょうど紅茶の2倍、緑茶ウーロン茶ほうじ茶の3倍の量のカフェインが含まれていることになりますね。
コーヒーを子供に1日にどのくらい与えてよいか、
栗原先生お勧めのカフェイン摂取量で許容量を考えると次のようになります。
- 4~6歳 ・・・1日 約41㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日 約83㎖以下
ネット上では、1歳のわが子にママと同じコーヒーをストローで飲ませているという声もありますが、
基本的に3歳以下の子にはコーヒーをはじめ、カフェインを含む飲み物を与えるのはやめましょう。
コーヒー牛乳については、2歳からあげているママがかなりいますが、
あげるのは4歳まで待ったほうがいいですね。
ココア・コーラにもカフェインが入っている?
子供がほしがるココア・コーラですが、両者ともにカフェインが入っています。
100㎖あたりのカフェイン量は次のとおりです。
- ココア 約10~20㎎
- コーラ飲料 約10~13㎎
ココア・コーラを子供に1日にどのくらい与えてよいか、
栗原先生お勧めのカフェイン摂取量で許容量を考えると、次のようになります。
- 4~6歳 ・・ココア1日 約125㎖以下 コーラ1日 約192㎖以下
- 7~12歳・・ココア1日 約250㎖以下 コーラ1日 約384㎖以下
コーラを500㎖のペットボトルで全部飲むと、カフェイン摂り過ぎですね。
ココアもコーラも、子供は、ついついたくさん飲んでしまいそうなので気を付けてあげましょう。
カフェインの致死量について
眠気覚ましを目的としたエナジードリンクが普及していますが、
子供がこれを飲むとカフェイン過剰摂取になり危険です。
アメリカの14歳少女のエナジードリンクによる死亡例がありますが、
少女が死亡した際のカフェイン摂取量は480㎎ということです。
子供にエナジードリンクは飲ませないで!
カフェインの致死量は、体重1㎏当たり200㎎と言われていますが、
大人でもカフェインに強い人も弱い人もいて、
子供は大人よりもカフェインに弱いので、この致死量の目安よりももっと少ない量で考えなければなりません。
体重1㎏当たり6.5㎎のカフェインを、3時間以内に摂ると、ほぼ半数以上が急性カフェイン中毒(動機・焦燥感など)を起こしますので、
10歳で標準体重35㎏の子供は、227.5㎎のカフェインを摂ると、ドキドキしたり不安・イライラを起こします。
エナジードリンクには、100㎖当たり約32~300㎎カフェインが含まれているので、
子供が飲まないように、気を付けてあげましょうね。
なお、急性カフェイン中毒を起こしたからといって、即死亡するわけではないのですが、
大人よりも敏感な子供については、注意深く意識を持っていることが大切です。
まとめ
緑茶(煎茶)・ウーロン茶・ほうじ茶の1日あたりの摂取許容量
- 4~6歳 ・・・1日125㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日250㎖以下
玄米茶・番茶・かまいり茶の1日あたりの摂取許容量
- 4~6歳 ・・・1日250㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日500㎖以下
紅茶の1日あたりの摂取許容量
- 4~6歳 ・・・1日約83㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日約166㎖以下
コーヒーの1日あたりの摂取許容量
- 4~6歳 ・・・1日約41㎖以下
- 7~12歳 ・・・1日約83㎖以下
ココア・コーラの1日あたりの摂取許容量
- 4~6歳 ・・・ココア1日約125㎖以下 コーラ1日約192㎖以下
- 7~12歳・・・ココア1日約250㎖以下 コーラ1日約384㎖以下
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