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母娘関係の過干渉ストレス解決策は、適正な距離感を作ることにあり

育児

母親の過干渉が母娘関係の確執を生み出すことについて、前回お話いたしました。

>>高齢出産後に実母が重い?毒親?母親からの過干渉ストレス実話

今回は、『逃げたい娘 諦めない母』(幻冬舎)の本から、娘が母親と、健全で適正な距離感を作ることの必要性とその方法についてお話いたします。

この本は、ストーリー仕立てでひとりの娘が母親からのストレスやモヤモヤをうまくスルーしていく行動や考え方を身につけていくようすが語られていきます。

2017年1月からのNHKドラマ10『お母さん、娘をやめていいですか?』は、娘が、過干渉な母親から健全な距離感を作るために避けられなかったバトルを描いています。

『逃げたい娘 諦めない母』の著者のひとり信田さよ子さんは、このドラマに監修協力したカウンセラー(原宿カウンセリングセンター所長)です。

はっきりと「ノー」を伝えよう

母親のグチの聞き役に徹する娘がいます。そうすることで波風は立ちにくいかもしれません。

しかし、聞き続けるとさらに母親のグチがエスカレートすることもありますし、聞き続ければ疲労困憊します。

例えば結婚前に「なんで結婚しないの?」と聞いてくる過干渉な母親もいます。(すでに結婚している人もいっしょに考えてみましょう。結婚以外のことでどうしても「ノー」と答えたい事柄を考えましょう。例えば、母親からの電話が多すぎる上に、さらに必ず絶対に折り返し連絡しなければならないとか、週末は絶対に母と過ごさなければとか、別居の母親がなんの連絡もなく自宅に押しかけてきてうるさいとか・・・)

娘が丁寧に説明しても、過干渉な母親は理屈で生きていないので、逆切れされたり曲解されてややこしくなるだけです。

今は結婚はできない、無理というときは、はっきりできないと断言しないといけません。

母親の理想通りの幸せを実現できないからと、罪悪感にとらわれる必要は少しもないのです。

説明も理屈もいりません。「ノー」は「ノー」で良いのです。

語尾を濁さず、はっきりと境界線を引きましょう。語尾を濁すと、過干渉な母親は改心を迫ってきます。

はっきりと「ノー」を言うと、母親は混乱し、パニックを起こしてけんかになるかもしれませんが、ここで妥協すると、いつまで適正な距離感は作れません。健全な関係を生み出すためにはけんかの嵐をどうしても通過しなければならないときもあるのです。

穏便に過ごすために境界線を作らず、ただ母に服従してきた年月が長かったことと思います。

境界線を作るだけで罪悪感を感じるかもしれません。しかし、罪悪感を感じることはないのです。

境界線を作らないと、母親は自分の人生に自分で向き合うことができません。たとえ母親の人生がどんなに虚しいものであっても、自分の人生から誰も逃げてはいけないのです。虚しさにも真正面から向き合うことが生きることです。誰も代わってあげれないのですから。母親が娘に逃げてはいけないのです。

境界線を引くことは娘が生きるために必要ですが、母親にとっても必要不可欠なことです。母、娘それぞれがほんとうに生きるための、産みの苦しみのようなものです。

母親がどんなにパニックしても、たとえ罵倒や泣き落としをしてきても、動揺せずに境界線を引き続けなければなりません。小さな「ノー」を積み重ねていくことで、娘は自分のあるべき敷地の境界をはっきりできます。こうして、適正な距離が新しく作り直されていきます。

境界線を守るための3つの習慣

自分で仕切る!リーダーシップをとる

まずは母親の話を聞きましょう。母親の勢いを止めず、聞き流す感じで相槌を打つ程度でいいです。

話疲れたときを見計らって言います。「お母さんはそう考えているんですね、でも、私はこう思います。」

そして、言い返す母親を遮って、「明日は早いからこれで今日はおしまいにします」と線を引きます。

母の同意を得なくてよいのです。大人なのですから、自分で判断してきっぱりと決めます。

同意を得てからにしようとすると、結局母親の思い通りされて、境界はなくなってしまいます。

丁寧な言葉を使う

丁寧な言葉をあえて使うことは、認知症の介護の現場でも有効なことです。

認知症でコミュニケーションがまともにできなくて互いにしこりができているとき、

あえて丁寧な言葉を使うことで心にワンクッション置けて、冷静になれるのです。

丁寧な言葉づかいは自然と距離感を作るのです。

互いを尊重する距離感を作るために、丁寧な言葉を使うことは、冷たいことではありません。

むしろ暖かいことです。

孤立しない。仲間を見つける

カウンセリングに通うのもひとつの方法ですが、本やウェブサイトでも同じように悩んでいる仲間を見つけることができるでしょう。

逃げたい娘諦めない母 [ 朝倉真弓 ]
ひとりでいると、感じなくていい罪悪感に陥ったり、あきらめてしまったりすることもあるでしょう。

孤独は一番人を弱らせます。仲間の存在は心強い支えとなります。

 

ドラマ10『お母さん、娘をやめていいですか?』では、母親との境界線ができてきた娘が、自分が好きなマグカップの模様・形にあらためて気付くシーンがありました。このように、境界線ができると、洋服や食べもの、音楽、友人関係など、母親に影響されない自分のほんとうの好みに目覚めていくことがあります。

それまでまるで母親に乗り移られていたような人生だったのが、自分で生きているという充実感に満ち溢れてくるのです。自分の足で生きる喜び、自分の人生を取り戻した安心を得られるのです。

なんでも自分が悪いと思わないで

謝らなくてもいいところでも、謝ってしまうのがクセのようになっていることがありませんか。

娘が「ノー」を言うと、「あなたが○○してくれないから体調が悪くなった」など、体調不良を娘のせいにしてくることもあります。ここで「ごめんね」と言って自責の念に駆られる必要はないのです。

母の体調は心配だけど、原因はわたしではないということをはっきりさせましょう。

なんでも私が悪いとするのは優しさではありません。

子供の頃から、父母のけんかは私が悪いからとか、母が八つ当たりしてくるのは私が悪いからとか、なんでも全部自分が悪いと思うクセは、大人になってからのマイナス思考につながります。

子供は親に負い目などもつ必要はありません。親のグチを永遠に聞き続けなければならないことなどありません。

 

母娘は同性であることから、強い一体感を感じるのは娘も同じです。

健全な距離感のある良い関係の母娘で、母が亡くなったとき、娘は自分が小川で流れ込むべき大河を失ったような気がしたと話した人がいました。

過干渉をして依存しなくても、正しい距離をもっていても、母娘は絆が強いのです。

良きにつけ悪しきにつけ、母親は娘に多大な影響を与えているようにできています。

ですから、なにもしがみつく必要はないのです。

手を緩めても、その手が完全に離れることはないのです。

 

適正な距離感ができるまでは、

お盆休みや年末年始の帰省は見合わせるのも

ひとつの方法です。

>>実家に帰省するのは義務?毒親がストレス?帰省する意味は?

>>高齢出産後に実母が重い?毒親?母親からの過干渉ストレス実話

実際に帰省にストレスを感じる人はけっこうたくさんいるのです。

帰省しないのは悪いと自分を責めなくていいですよ。

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