妊娠中も秋の味覚、秋刀魚を楽しみたいですが、内蔵まで食べていいか、気になりますね。
焼いた秋刀魚の他に、お刺身にしてもおいしいですが、妊娠中は刺身にして食べても安全でしょうか。
魚は水銀も気になります。
今回は、
- 妊婦が秋刀魚の内臓・刺身を食べても大丈夫?
- 秋刀魚の栄養効果と水銀の有無は?
についてお話します。
この記事を最後まで読めば、妊婦でも秋刀魚を安心して楽しめることがわかります。
栄養豊富な秋刀魚を存分に楽しんでください。
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妊婦が秋刀魚の内蔵・刺身を食べても大丈夫?
結論から申し上げると、妊娠中は
- 秋刀魚の内臓は食べてよい。
- 刺身は食中毒の心配があるので食べてはいけない。
となります。
内臓と刺身があるので、それぞれ詳しく解説していきますね。
妊婦と秋刀魚の内臓
焼いた秋刀魚の内臓は、妊婦も安心して食べられます。
秋刀魚は胃や腸があまり発達していないので、食べたものがすぐに排出されてしまい、雑菌の繫殖が少ないので、安全に内臓を食べることができます。
内臓の栄養素ビタミンAについて
内臓にはビタミンAが多いことで、心配することがあります。
特にビタミンAを多く含むうなぎを妊娠初期は食べ過ぎてはいけないのですが、秋刀魚100gあたりに含まれるビタミンAは、16μgしかありません。
妊娠初期のビタミンAの1日推奨量は、650~700㎍ですから、秋刀魚のビタミンAは何の問題もありません。
赤い紐状の正体とは?
秋刀魚の内臓には、ときどき2~3㎝の赤い紐のようなものがあります。
これは「ラジノリンクス」という寄生虫なのですが、しっかり加熱してあるので害はありません。人には寄生しません。
加熱しても赤い色は変わらず、見た目があまり気持ちよくないので、取り除いて食べれば何も害はありません。
内臓にうろこが入っている場合は?
秋刀魚の内臓にたくさんのうろこが入っていることがあり、びっくりすることがあります。
このうろこは、たくさんの秋刀魚を大きな網で引き上げるときに、他の秋刀魚と擦れて取れたうろこが口の中から体内へ入ってしまったものなのです。
秋刀魚が他の魚を食べたのではないのですね。
うろこは食べにくいので食べませんが、もし食べてしまったとしても大丈夫です。秋刀魚のうろこには「コラーゲン」と「カルシウム」の栄養があります!
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妊婦と秋刀魚の刺身
妊娠中は、食中毒やアニサキスの危険があるので、刺身を食べるのはやめましょう。
生の魚介類は食中毒の危険がある
妊娠中は免疫力が低下しています。妊娠していなければ何の問題もない食材でも、食中毒にかかる可能性が高くなります。
【食中毒を引き起こすもの】
- 腸炎ビブリオ
- 病原性大腸菌
- ノロウイルス
- リステリア
妊娠中に食中毒になると、繰り返す嘔吐や下痢で子宮収縮が引き起こされ、流産や切迫早産の危険性が高まります。おなかの赤ちゃんへの影響のために、使用できる薬も限られますので、たいへんですね。
どうしてもお寿司を食べたいときは生のものは避け、タコやエビのようにボイルしてあるものを選びましょう。
アニサキスで激しい腹痛をおこす可能性がある
アニサキスは寄生虫で、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの内臓に寄生しますが、魚が死亡して時間が経過すると、内臓から筋肉に移動します。刺身に使われる筋肉部分に潜んでいるアニサキスは、とても小さいので見逃してしまいます。
このアニサキスを食べてしまうと、アニサキスが人の胃や腸壁に侵入して、激しく猛烈な腹痛を引き起こしてしまいます。
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秋刀魚の栄養効果と水銀の有無は?
秋刀魚には、妊娠中に摂りたい魚の栄養がしっかりと含有されています。
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- たんぱく質
- カルシウム
妊娠中に心配な魚の水銀含有量については、秋刀魚は注意しなくても大丈夫です。
栄養と水銀についてそれぞれ詳しく解説していきますね。
DHA(ドコサヘキサエン酸)について
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚やマグロなどの魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸のうちのひとつ、「オメガ3脂肪酸」のひとつです。
多価不飽和脂肪酸は、体内で自然に作られませんので、青魚などの食べものから摂らなくてはいけません。
オメガ3脂肪酸は、子供の発育を助け、視覚の補助になり、脳の働きを活発にし、記憶力・集中力、判断力を高めます。
イギリスの栄養学者マイケル・クロフォード教授が、「日本人の子供の知能はほかの国の子供に比べて高い。魚を食べることによるのではないか」という見解を発表しました。(1980年代)
また、アメリカでも日本でも、オメガ3脂肪酸の摂取は早産を予防するという研究結果が報告されています。早産だけではありません。生まれた子供の喘息発症リスクを低下させるということもわかっているのです。
また、妊娠中にオメガ3脂肪酸を十分に摂取すると、新生児の中枢神経系発達や睡眠状態を良好にします。1歳時点での睡眠時間が11時間以上という良好な睡眠状態が確保できるようにになるという研究結果が出ています。幼少期の良好な睡眠は、身体の発達において肥満を防ぎます。
参照:医療NEWS
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秋刀魚に含まれるタンパク質とカルシウム
たんぱく質は、体を形成するために欠かせない主成分で、妊娠中は、胎児の血液や筋肉を作るために摂取することが重要です。
産後の体の回復のためにも欠かせない栄養素です。
秋刀魚のタンパク質は、アミノ酸スコア100の良質なタンパク質です。
肉類だけでなく、魚からも、良質なたんぱく質を摂りましょう。妊娠初期、後期から産後を通して、しっかりたんぱく質を摂取しましょう。
カルシウムは骨や歯をつくりますが、不足しがちです。
胎児にカルシウムが不足すると、ママの骨から足りないカルシウムが吸収されます。
妊娠中にカルシウムが不足すると、ママの骨がもろくなり、将来、骨粗しょう症になる恐れが出てきますので、意識して積極的に摂りましょう。
秋刀魚は缶詰で摂ると骨まで食べられるので、10倍のカルシウムが摂れます。
手軽で栄養豊富な缶詰めはおすすめです。
非常食としての備蓄にも適しています。
秋刀魚は水銀の心配はない
妊娠中の魚の摂取では水銀に注意しなければならない、ということが周知されています。
食物連鎖の上位に位置する大きな魚(マグロ、クジラなど)は、自然界に存在する水銀がとりこまれていることがあります。水銀は胎盤を通り抜けて、胎児の脳に達し、高濃度の場合は神経障害や発達障害を引き起こす可能性があります。
しかし、食物連鎖の下位に位置する小型の魚は、水銀量が少なく、妊娠中でも水銀の心配はありません。
↓秋刀魚の他に、水銀の心配のない小型の魚は、次のようになります↓
キハダ、ビンナガ、メジマグロ、サケ、アジ、サバ、イワシ、タイ、ブリ、カツオなど
しっかり加熱して、秋の味覚の秋刀魚を楽しみましょう。
焼く手間がたいへんなときは、缶詰めもOKです。
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妊婦が秋刀魚の内蔵・刺身を食べても大丈夫?栄養効果と水銀の有無は?
今回は、
- 妊婦が秋刀魚の内臓・刺身を食べても大丈夫?
- 秋刀魚の栄養効果と水銀の有無は?
についてお話しました。
DHAを始めとして、妊婦にも胎児にも大切な栄養が詰まっている秋刀魚は、水銀の心配なく摂取できるお魚です。
内臓も食べられます。刺身はやめて、しっかりと加熱していただきましょう。
さんまの缶詰めもカルシウム豊富でおすすめです。
安心して秋の味覚、秋刀魚をお楽しみください(^^♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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