妊娠中!冬のおすすめ食べ物!風邪予防にも!ゆり根の栄養で元気な赤ちゃんを産みましょう!旬は2月頃まで!

妊娠

晩秋から冬の間、店頭で見かける「ゆり根」。

あまり見慣れないし、なぜかおがくずに包まれて包装されているし、

食べ方もわからないので買ったことないわ・・・という人は多いようですが、

ゆり根には妊娠中に必要な栄養素がたっぷり含まれているのです。

特に高齢出産の妊娠中のママには食べてほしい「ゆり根」!

ゆり根を食べて、元気な赤ちゃんを産みましょう!

 

ゆり根とは?

ゆりの花の球根です!

ゆり根ゆりの花の球根なのですが、

正確に言うと、根ではなく、鱗茎(りんけい)といって、

茎と葉が変化したものです。玉ねぎをイメージするとわかりやすいですね。

 

ゆり根は、たくさんの鱗片(りんぺん)が重なり合っているので、

「百合」の字が当てられ、

この重なり合いを幸せと発展の象徴としておせち料理に入れるのです。

 

 

旬は秋から冬

ゆり根は約99%北海道で生産されていますが、京都産のものもあります。

京都産のゆり根は、9月から12月にかけて店頭に並びますが、

北海道産のゆり根は、晩秋11月から冬の間2月頃までが旬となります。

正月のおせち料理に使われることが多いので、

いずれも12月に出荷のピークとなり、正月前には価格が最も高くなります。

正月を過ぎると一気に価格は下がりますが、味が落ちるわけではありません。

ゆり根は、花粉症の鼻炎にもよいので、

2月の花粉症開始時期にはゆり根はおすすめ食材です。

 

食用のゆり根の95%はコオニユリ

ゆりの花は種類豊富で世界中で愛されていますが、

ゆりの球根を食用としているのは、中国日本ぐらいです。

日本でゆり根が食べられるようになったのは、江戸時代からです。

中国では漢方薬としても大昔から使われていました。

 

現在食用とされているのは、

  • オニユリ
  • コオニユリ
  • ヤマユリ
  • カノコユリ

の4種類です。その中でも、苦みの少ないコオニユリ

現在食用として栽培されているゆり根の95%を占めています。

 コオニユリ

 

オニユリとコオニユリは花がそっくりですが、

茎のつけねに小さな黒っぽいムカゴができるのが、オニユリ、

ムカゴができないのがコオニユリです。

 オニユリ

 

ヤマユリは白く、カノコユリは桃色が多いです。

 ヤマユリ

 

 カノコユリ

カノコユリは、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。

カノコユリの自生地は、四国と九州の数か所のみが現在確認されています。

 

ゆり根の栽培には6年もの年月がかかります!

赤ちゃんを育てるように大切に育てます

 

ゆり根の栽培はとても時間がかかります。

種球から始まるとなんと6年もの歳月が必要なのです。

畑に植え付けるまでに3年、畑に植え付けからはさらに3年の月日がかかります。

畑は毎年のように植え替えが必要で、球根を大きくするためには

炎天下でひとつひとつ花のつぼみを摘んでいかなければなりません。

手間ひま惜しまずていねいに6年かけて育てられるのです。

そのうえ一度植えた畑は7年待たないと再度植え付けができません。

ゆり根生産者さんはお母さんそのもの!

花の摘み取り、手作業で行われる植え付け・収穫、根切りなど

職人わざで丹精込めて愛情かけて6年間育て続ける生産者さんの姿は、

赤ちゃんを大切に育てるお母さんの姿そのもの、ということで、

北海道のホクレン食用ゆり消費拡大協議会では、

9年前に「ママを『ゆり根』で応援プロジェクト」が行われたこともあるのです。

ゆり根には妊娠中に必要な栄養がたっぷり含まれているということで、

「ゆり根のようにおなかの赤ちゃんがすくすく成長しますように」

との願いをこめて行われたプロジェクトでした。

 

ゆり根に含まれる妊娠中に必要な栄養とは?

高齢出産ママの妊娠高血圧症候群を予防するカリウムがたっぷり!!

高齢出産ママは、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。

カリウムは血圧を下げる作用があります。

余分なナトリウムを体内から排出させて血圧を下げ、水分量を調節し、

むくみを解消させるのですね。

五訂増補 日本食品標準成分表によると、

ゆり根をゆでたもの100g当たり、カリウムは690mgも含まれていて、

他の野菜のカリウム含有量と比べると、トップクラスの量と言われます。

 

高齢出産でリスクが高まるダウン症を防ぐ葉酸がたっぷり!!

妊娠初期には、おなかの赤ちゃんの成長のために

葉酸を摂りましょうと厚生労働省が言っています。

葉酸が不足すると、胎児の先天性神経管閉鎖障害を引き起こすのです。

 

葉酸摂取奨励の始まりはアメリカでした。

1989年にアメリカの医学誌『JAMA』で

妊娠初期の女性が葉酸を推定量摂取すると

ダウン症の発症リスクが抑えられるという発表があったのです。

アメリカでは女性は高校生のうちから葉酸を摂取するように

奨励されているそうです。

 

高齢出産ではダウン症発症のリスクが急激に高まりますので、

葉酸の摂取は必須です。

 

妊娠していない成人女性の葉酸推奨量は、

1日当たり240μgです。(日本人の食事摂取基準2015)

 

成人女性は食事から1日当たり230μgほど葉酸を摂れています。

(平成27年度国民健康・栄養調査)

葉酸は、枝豆、ほうれん草、芽キャベツなどに多く含まれます。

 

厚生労働省は、妊娠中は、葉酸を400μgプラスしてサプリメントで摂るように言っています。

 

つまり、妊娠中に必要な葉酸は、

通常の成人女性推奨量240μg + 妊娠中にプラスしたい推奨量400μg

で、目標値は合計640μgとなります。

ゆり根のゆでたもの100gには、葉酸が92μg含まれています。

 

ゆり根は食物繊維が豊富!

ゆり根には水溶性食物繊維不溶性食物繊維の両方が豊富です。

 

不溶性食物繊維は、体内水分を吸収して膨れることで

腸壁を刺激して便の排出を促します

ゆり根に含まれる水溶性食物繊維は、こんにゃくにも含まれるグルコマンナンです。

水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状になり、

小腸で栄養の吸収速度を緩やかにして血糖値の上昇を抑えます

また、コレステロールを吸着して排出させ、血中コレステロール値を下げます。

ナトリウムも排出しますので、高血圧も予防します。

 

妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群を防ぐために

水溶性食物繊維は大切ですね。

妊娠中は便秘もしやすいので、これらすべてに対して

ゆり根の食物繊維は役に立ちます。

水溶性、不溶性どちらの食物繊維も、大腸で細菌により発酵分解され、

ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌となるので、

善玉菌が増加して腸内環境が良くなるのです。

 

冬に風邪をひきたくない妊婦さんに最適!

色の白い食べ物で乾燥を防いで風邪をひかない体になりましょう

秋から冬にかけて、気温・湿度が下がります。

この時期、東洋医学では、「肺」が乾燥して寒冷刺激を受けやすく、

呼吸器系を病みやすいので注意が必要と言われます。

 

乾燥から肺を守るもののひとつに「ゆり根」があげられるのです。

肺を潤す食薬は、「色の白い食べ物」で、ゆり根の他にも

梨、大根、れんこん、白ごま、牛乳、白菜、豆腐、豆乳などがあります。

おなかの赤ちゃんのためにも風邪をひきたくない妊婦さん!

肺が潤うと皮膚や粘膜も潤うので、これらの「色の白い食べ物」を食べて肺を潤し、

乾燥に負けない体=風邪を寄せ付けない体 になりましょう。

妊娠中の風邪対策におすすめの食材については、こちらにも詳しく書かれています。

高齢出産!妊娠中!秋の風邪予防対策まとめ!おすすめは梨!ぶどう大根れんこん!

 

寒気があるとき下痢をしているときはやめましょう

風邪をひいてしまって発熱し、まだ熱が下がりきらないときや

「肺」の機能が落ちて咳が止まらないときは、

ゆり根を食べることで消耗した体力を補うことができます。

ただし、ゆり根は薬膳としてみると「涼性」の食べ物なので、

寒気がして咳や白い痰が出るとき(温めると具合が良くなる状態のとき)や、

下痢をしている人には禁忌とされていますので、覚えておきましょう。

 

ゆり根は漢方薬にも含まれています

花粉症で使う辛夷清肺湯の成分ビャクゴウはゆり根です

花粉症副鼻腔炎(蓄膿症)のために、耳鼻科でも処方される漢方薬に

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)があります。

辛夷清肺湯は、小林製薬から「チクナイン」として薬局でも販売されていますが、

その成分の中の「ビャクゴウ(百合)」が、ゆり根です。

スギ花粉症が始まるのは2月はじめですが、ゆり根の旬は2月頃までなので、

1月2月にまだ店頭でゆり根を見かけたら、ぜひ食べて粘膜を潤して

花粉症を和らげましょう。

 

ゆり根は心を安定させます

東洋医学の昔の文献に『金匱要略』という書物がありますが、

大病をしたあとに不安、不眠、動悸、焦燥感などがあるときのことを

「百合病(びゃくごうびょう)」と呼んで、ゆり根も使って治療していたそうです。

ゆり根は「気」を整えて、心に作用し、ヒステリーや

イライラ・不安、だるさなどの不定愁訴を和らげるということで、

薬膳としても使われます。

 

妊娠中は出産の不安やイライラも増します。

特に高齢出産ママは、出産がうまくいくか不安心配も相当なものがのしかかってきます。

ゆり根で心をいたわってあげましょう。

 

ゆり根はどうやって食べるの?

ゆり根の下処理!洗ってはがして・・・

①丸ごと水洗いして、おがくずや汚れを取ります。

②茶色くなっているところや、底の芯のまわりを

ピーラーや包丁の先で取り除きます。

③鱗片を外側から1枚ずつはがします。

④根元が見えてきたら包丁で切り離して、さらに鱗片をはがしていきます。

小さな鱗片もはがします。

⑤1枚ずつバラバラになった鱗片を水洗いします。

 

保存するには・・・

丸ごとゆり根を保存するには、傷つけないように新聞紙に包んで冷暗所にいれます。

 

長期1ヵ月ほど保存するには、ビニール袋にゆり根が隠れるくらいおがくずを入れて

冷暗所におきます。

ゆり根は乾燥に弱く、デリケート。

強く握ったりこすったりしただけで傷つき変色してしまいます。

おがくず傷つくのを防ぐほか、適度な水分で乾燥を防ぐためにも役立っています。

おがくずに包まれて店頭に並んでいるのはそのためなのですね。

長期保存したいときは、おがくずに霧吹きで適度に水分を補充するといいです。

下処理して洗ってバラバラにしたゆり根は、ラップに包んで冷蔵庫で保存しますが、

一度水に濡らすと傷みが早いので、なるべく早く使い切りましょう。

 

冷凍保存するには、バラバラにした鱗片を固めに茹でるか、

蒸して、1回に使う分ずつラップで包んで冷凍します。

 

調理方法で気を付けることは・・・

ゆり根は火の通りが早いです。

加熱時間が長くなると、ホクホク感がなくなり、

ねっとりした食感になります。

 

和食ではおせち料理で使いますが・・・

ゆり根はおせち料理で、きんとんにしたり、含め煮にしたりしますが、

炊き込みご飯に入れてもおいしいです。

ふだんのお料理で、茶碗蒸しに入れるのも絶品です。

味噌汁の具にするのもよいでしょう。

鍋物に入れてもいいですね。

簡単・気軽にいつものお料理に使えます。

 

肺を潤す白い食べ物といっしょに

秋から冬にかけては、風邪をひかない体になるために

「色の白い食べ物」がよいというお話をしましたが、

豆腐牛乳ゆり根と合わせると、「肺」の潤いによいですね。

ゆり根麻婆豆腐に入れたり、

牛乳を使うクリームシチューグラタンに入れると

簡単にゆり根を食べられます。

クリームシチューでは、じゃがいものかわりにゆり根を使うとよいでしょう。

じゃがいもとゆり根の両方をクリームシチューに入れて作ったことがあるのですが、

ねっとりしすぎてもちもちなシチューになってしまいました。

クリームシチューにゆり根を使うときは、

じゃがいもは入れても少しにしたほうがよさそうです。

お正月を過ぎると価格が下がるゆり根。

風邪予防に、心の安定に、妊娠中だけでなく、産後の弱ったママの体のためにも

気軽にいつものお料理に取り入れてみませんか?

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