妊娠中のアロマテラピーについてはいろいろな情報がありますが、通常の妊娠で状態が順調なら心配ないことでも、高齢出産の場合は切迫早産などのリスクと隣り合わせで、アロマテラピーはどこまで安全なのだろうと判断が難しく思えます。
でも、つわりや妊娠線、出産に向けての不安や恐怖のストレスなど、アロマテラピーに頼りたくなる試練は避けて通れませんね。
ストレス緩和に芳香浴を
妊娠中、不安感などストレスを感じて困るときは、柑橘系の香りで芳香浴をするのが、いちばん手軽に気分転換できます。
柑橘系の精油いろいろ
妊娠初期から使えると言われる精油にも、いろいろ意見が分かれています。
真正ラベンダーやフランキンセンスを妊娠初期から使えるとする意見もある中で、大事をとって妊娠後期からならばOKとする説もあります。
妊娠初期から使える精油として多くの意見が一致しているのは、柑橘系の香りの精油を芳香浴のみで使用することです。
柑橘系の香りの精油とは、
- オレンジスィート
- グレープフルーツ
- ベルガモット(青いみかんのような爽やかな香り)
- レモン
- マンダリン
- ネロリ(オレンジの花で高価な精油)
です。
柑橘系の精油人気№1 みんなの医学でも紹介されました。
雑誌Tarzan 快眠アロマベスト5 2位に掲載
柑橘系の精油人気№2
柑橘系の精油人気№3 紅茶のアールグレイの香り
雑誌Tarzan 快眠アロマベスト5 の3位に掲載
柑橘系の精油人気№4
いかにも果物の香りらしくて、とてもデリケートな香り。
ネロラ公妃アンナマリアの香りとして有名。
ローズやジャスミンと並んで高価な精油
芳香浴は手軽にできます
芳香浴で一番手軽な方法は、テッシュに1、2滴たらして香りを楽しむ方法です。
オレンジスィートの精油は、強度の不安を伴うパニック障害の症状緩和にも役立ちます。
日本の冬 は、こたつにみかんですが、ヨーロッパの冬 は、暖炉とオレンジ です。
柑橘系の香りは、世界共通のリラックスアイテムです。
出産後の育児疲れにも助けになりますよ。
つわりのときの嗅覚と芳香浴
つわりのときは嗅覚は、いつもと違って苦しいですね。
つわりが終わると嗅覚の鋭敏さも落ち着いてきます。
つわりのときはにおいに敏感になる
ただし、つわりのときは、においにとても敏感になって、普段好きな香りですら受け付けないこともありますので注意が必要です。
いつもはいやとは思わない「ご飯が炊けるにおい」がダメになるなんてこともあります。
反対に、柑橘系の香りでつわりの吐き気がらくになる場合もあります。
つわりのときの香りの好みは個人差がとても大きいので気を付けましょう。
つわり中、食べ物でみかんなどの柑橘類を食べるのがつらいときは、柑橘系の精油の使用もやめておきましょう。
つわりの時期、おなかの赤ちゃんは、卵黄のうが栄養源になっているので、ママが栄養が摂れないことを苦にしなくても大丈夫です。
においが強くなくて、のどこしがよいジュースやゼリー、プリンなどが食べれれば大丈夫。
トマトしか食べれないとか、いちごしかのどを通らないということもあります。
ただし、あまりにも食べられないと、体の電解質バランスが崩れて体調不良になり、ますます食欲がなくなるので、病院で点滴を受けて電解質バランスを整えてもらいます。
つわりが終わって食欲が戻り、なんでも食べられるようになると、嗅覚も落ち着いてきます。
柑橘系の香りは、妊娠後期では出産の不安から助けてくれる香りになるでしょう。
ペパーミントの精油に注意が必要
ペパーミントは吐き気がおさまる香りでもあるのですが、妊娠中は避けるべきという意見もありますので、妊娠初期のつわりの吐き気には芳香浴のみでもあまりおすすめはできません。
ペパーミントは血圧上昇作用があるのです。
高齢出産では妊娠高血圧症候群も心配されますから、ペパーミントは使わないほうが安全でしょう。
柑橘系の精油には、空気清浄効果があるものもあり
妊娠中は風邪などの病気は避けたいです。
そんなときも柑橘系の精油はおすすめです。
アロマスプレーの作り方をお話しますね。
抗菌作用のある精油
柑橘系の精油には、リラックス効果だけでなく、空気中の雑菌やウィルスの繫殖を抑えて空気をきれいにする抗菌作用があるものもあります。
レモン、スイートオレンジ、グレープフルーツ です。
アロマスプレーを作ってお部屋のカーテンなどに吹きかけます。
安定期になってお出かけできるようになると、外出先でトイレに入ったとき、トイレのいやなにおいが強烈で吐きそうになることがありますが、柑橘系の精油でアロマスプレーを作ってバックに入れて持ち歩けば、シュッとひと吹きでいやなにおいがらくになります。
アロマスプレーの作り方
100均などのスプレーボトルを用意し、無水エタノール(薬局で売っています)を少々入れて、柑橘系のお好みの精油を最高10滴まで加えます。
ボトルを振ってよく混ぜ、最後に精製水50mlを入れてふたをして、さらによく振り混ぜます。
使うときはいつもよく振ってからスプレーしましょう。
スプレーボトルは、100均で細長いガラス製のものが売っていることがあり、携帯しやすいです。
プラスチック製のスプレーボトルだと、柑橘系の精油の成分が強いので、ひびが入ることがあるので、ガラス製のほうがいいです。
ただし、お肌に直接スプレーするのはやめましょう。
妊娠後期と芳香浴
妊娠後期になると、使える精油の種類が増えます。
でも、妊娠中通して使えない精油もあるので、要注意です。
出産が近づくと恐怖心を感じることもありますが、そんなときこそアロマテラピーの出番です。
妊娠後期に使える精油
妊娠後期になると、真正ラベンダー、フランキンセンスなど、使える精油が増えてきます。
妊娠中通して使ってはいけない精油というのは、
- 女性ホルモンに似た働き
- 生理を促す作用
- 子宮収縮作用
があるものです。
真正ラベンダーも妊娠中に使ってはいけないとする意見があるのは、月経を促す作用のある成分が1%未満ですが、含まれているということからくるのです。
しかし、1滴=0.05ml で、マッサージに使われるとしても、体内に吸収されるのはほんの数%ですし、直接皮膚に触れない芳香浴だけ にとどめておくなら、問題はありません。
出産間近の恐怖を和らげる必要性
高齢出産の場合、年齢的に出産が無事にできるだろうかと、若い人より心配と不安が大きくなり、出産が近づくにつれて恐怖さえ出てくることもあります。
私は42歳で、切迫早産で2ヶ月入院してから出産したのですが、先に退院した入院仲間(40歳)が、出産2週間前に、出産の不安と恐怖のストレスからつい食べ過ぎてしまって、妊娠高血圧症候群を発症し、緊急に帝王切開になったケースがあります。
もう少し若い入院仲間の妊婦さんも、退院後、ストレスから食べ過ぎて太ってしまい、自然分娩ではあったものの難産で、おなかを押されて鉗子も使ったたいへんな出産になったそうです。
若い妊婦さんでも相当なストレスを感じるのですから、高齢出産の場合は特に、出産間近のストレスには、アロマテラピーなどの対策を備えたほうがよいと思います。
私は、アロマテラピーの実践の他に、ソフロロジー分娩 を自分で勉強して産んだので、最後まで冷静にいろいろと状況を観察するほど余裕があり、恐怖心に対応できました。
出産に向かうストレスと恐怖への対策として、ソフロロジーはおすすめです。
真正ラベンダーとフランキンセンス
出産間近のストレス対策で、真正ラベンダーやフランキンセンスの香りです。
真正ラベンダーについて
真正ラベンダーにはリラックス効果があるのは有名ですね。
本物の真正ラベンダーは、鎮静作用のある酢酸リナリルという成分を35%以上含むもので、
市販のほとんどのものが30%未満なのですが、生活の木のラベンダーは成分分析表に、酢酸リナリル36.90%と書いてあり、鎮静効果が期待できます。
フランキンセンスについて
フランキンセンス(乳香)は特に恐怖心を和らげる香り として知られており、何千年も前から、宗教の儀式や祈り、瞑想のときに使われてきました。
新約聖書では、イエス・キリスト誕生のときに、東方の三賢人が、黄金、乳香(フランキンセンス)、没薬(ミルラ)を捧げたと書かれていて、黄金と並ぶ高貴な香りとされていました。
フランキンセンスは、呼吸を深くさせ、 小児喘息の発作を和らげる力もあるとのことです。
以前、アロマテラピーを勉強していたとき、勉強仲間がフランキンセンスについて、「いつまでもかいでいたいよね。ず~~~っとかいでいたいよね。一番好きな香り!」と絶賛していました。
ほんとうに優しい香りです。
出産への不安と恐怖を、芳香浴によって和らげて、無事に明るい気持ちで出産を迎え、乗り越えていきたいものです。
妊娠線対策は?
精油を使わずに、植物性のオイルのキャリアオイル だけを使って、妊娠線予防対策を行うことができます。
キャリアオイルについてお話しましょう。
精油をマッサージに使うのは心配?
トラブルと隣り合わせの高齢妊娠では、妊娠後期になっても、精油を使ってお肌にアロママッサージすることは心配で抵抗があるかもしれません。
柑橘系の精油は、肌に触れると刺激になることがあります。
みかんの皮を乾かして入浴剤にする方法が昔からありますが、入れすぎるとお肌がピリピリしますね。
また、紫外線に反応して肌にダメージを与える(光感作性)、フロクマリンという成分を含む柑橘系の精油もあります。
産後、落ち着いてから柑橘系の精油を使って気分転換にマッサージしたいときは、フロクマリンフリー の柑橘系の精油を種類豊富に扱っているこちらのショップが役に立つでしょう。
精油なしでキャリアオイルのみでマッサージすると安心
キャリアオイル とはどのようなものか、どのような働きをするかを見ていきましょう。
キャリアオイルには、いくつか種類がありますよ。
キャリアオイルとは?
妊娠線対策ですが、精油は使わずに、植物性オイルのキャリアオイルだけを使って、そっとマッサージするだけでも妊娠線予防効果があります。
精油を使うアロマトリートメントでは、精油は直接肌につけず、キャリアオイルで希釈してから塗布して使います。
精油原液は凝縮された高濃度の植物エッセンスなので、原液を肌につけることは原則としてできません。
キャリアオイルは、アロマトリートメントで精油とともに使うとき、精油の薬理成分を皮膚へ運ぶ(carry)役目をするので、キャリアオイルと呼ばれるようになりました。
スィートアーモンドオイルについて
キャリアオイルで一番有名なのが、ホホバオイルですが、ホホバオイルより安価で、保湿効果抜群のキャリアオイルが、スイートアーモンドオイルです。
妊娠線予防には保湿がなによりも大事なので、保湿効果の高いスイートアーモンドオイルは最適です。
スイートアーモンドオイルは、他のキャリアオイルに比べて、皮膚の真皮にまで浸透し、健康に保ってくれるので、妊娠線予防に一役買ってくれます。
穏やかな作用で低刺激なので、赤ちゃんにも使えます。
カレンデュラオイルについて
会陰マッサージと乳頭ケアには、傷を治りやすくするカレンデュラオイル というキャリアオイルが最適です。
カレンデュラオイルも妊娠線予防にも使えますし、産後に赤ちゃんのスキンケアにもよいので、いちばん幅広く使えるオイルです。
赤ちゃんとアロマテラピー
日本で一番大きなアロマテラピー団体の、日本アロマ環境協会AEAJでは、ガイドラインで「3歳未満の乳児・幼児には、芳香浴法以外は行わないようにしましょう」と言われています。
出産直後や授乳中は、赤ちゃんはママのにおいを覚える大事な時期にあります。
芳香浴を行うときも、ごくごく低濃度で、15~30分の短時間にとどめましょう。
赤ちゃんの嗅覚は大人より優れているので、大人にちょうどいい香りは赤ちゃんには強すぎるのです。
ベビーマッサージも、精油は使わず、スイートアーモンドオイルやカレンデュラオイルなどのキャリアオイルのみを使って行うのがよいでしょう。
精油は、誤って口に入れないように、赤ちゃんの手の届かないところに置きましょう。
高齢妊娠のアロマテラピーは、精油の芳香浴でストレスを乗り越え、キャリアオイルのマッサージで妊娠線予防をしましょう。
妊娠初期は柑橘系の精油、妊娠後期には真正ラベンダーやフランキンセンスの精油もOK。
キャリアオイルはスイートアーモンドオイル・カレンデュラオイルがおすすめです。
赤ちゃんにとって最高の香りはママのにおいです。
嗅覚が優れている赤ちゃんとの生活では、芳香浴でも控えめにしましょう。
出産時の会陰切開を避けるために、会陰を柔軟にする方法についての詳しいお話はこちらからどうぞ。
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