長年放映されてきたEテレ「猫のしっぽ カエルの手」のハーブ研究家ベニシアさんが亡くなり、たくさんのファンが悲しんでいます。
親子2代でファンだったという声も聞かれます。
晩年、目が見えにくくなったと言っていたベニシアさん、どんなご病気だったのでしょうか。
介護施設に入っていた時期もありました。
今回は、
- ベニシアさんの晩年の病気は?
- 病名の時系列まとめ
- 介護施設入所のきっかけ
についてお話し、ベニシアさんを追悼したいと思います。
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ベニシアさん晩年の病気は?
2023年6月21日午前8時33分、ベニシアさんは72歳で永眠されました。
亡くなった直接の原因は、誤嚥(ごえん)性肺炎でした。
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60歳以上で飲み込む力が衰え、むせて吐き出す反射も弱くなり、免疫力も落ちると発症しやすい病気です。
晩年のベニシアさんはかなり弱っていました。
ベニシアさんの病名の時系列まとめ
ベニシアさんは2016年頃から目が見えにくくなっていました。
- 2016年頃【白内障】
- 2018年【後部皮質萎縮症(PCA)】と診断
- 2021年7月 介護施設に入所
- 2022年7月【コロナ感染】
- 2022年8月【肺炎・非結核性抗酸菌症が活発化】
- 2022年9月28日退院。1年2か月ぶりに大原の自宅に戻った。
- 2023年6月21日誤嚥(ごえん)性肺炎のため、自宅にて永眠。72歳。
介護施設入所のきっかけとなった後部皮質萎縮症(PCA)
2016年頃から目が見えにくくなったベニシアさんは、白内障との診断で手術も受けましたが改善せず、2018年に大学病院を受診すると、後部皮質萎縮症(PCA)と診断されました。眼ではなく、脳の病気だったのです。
視覚系の働きを担う後頭葉が委縮し、見えている物を正しく捉えることが出来なくなる病気です。
目は悪くないが、視覚情報を脳が判断できない病気で、目そのものに異常はないのです。
後部皮質萎縮症(PCA)は、アルツハイマー病のサブグループであるといった捉え方もされています。
参考資料:[後部皮質萎縮 – 新しい認知症症候群またはアルツハイマー病の一種?]
記憶障害も出ており、訪問看護のヘルパーさんが朝、夕、訪れて、目が不自由になったベニシアさんのお世話をしていたとのことです。
読書も絵を描くことも、ガーデニングもできないことで、ベニシアさんは落ち込みました。
↓ベニシアさんの描く絵はていねいであたたかく、色づかいもおしゃれです↓
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目が見えにくくなり、絵が描けないというのはどんなにつらいことか、想像を絶するつらさです。
しかし、夫の梶山正さんが、『人体 神秘の巨大ネットワーク』というテレビ番組を見て、視神経が衰えたら別の回路を開いて生きていこうと励まし、ベニシアさんは前向きに元気を出したのでした。
しかし24時間だれかの手を借りる必要が出てきて、正さんは仕事や買い物での外出さえもままならない状況になり、介護施設入所の検討を始めたのでした。
当初のベニシアさんは介護施設に入ることを拒んでいましたが、家族の生活を尊重するために入所を決めました。
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介護施設でのベニシアさんと正さんの奮闘
ベニシアさんは入所当日も不安になって泣き出すこともありましたが、息子の悠仁さん家族も同行していて、孫の來愛(くれあ)ちゃんが施設の人気者になり、ベニシアさんは落ち着きを取り戻したのでした。
コロナ緊急事態宣言が出ている間は施設は面会禁止で、緊急事態宣言が終わってから正さんが会いに行くと、目の不自由なベニシアさんは、じっと車椅子に座って歩けなくなっていたので、驚いた正さんは毎日施設に通い、30分の散歩を日課にしました。車椅子を買い、車で宝ヶ池公園や加茂川沿いの公園に出かけました。
この介護施設は予約すれば外出OKなので、正さんはベニシアさんをしばしば自宅に連れてきて、おいしい料理を作りました。調理器具もいろいろ購入したとのことです。クリスマスや年末にも、正さんの手料理でランチパーティーを開きました。
↓正さんも少年時代から庭好きだったので、お庭のガーデニングも正さんが頑張っています。
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コロナで肺炎になり自宅介護へ
2022年7月28日、ベニシアさんはコロナ感染してしまいました。
8月24日、熱が下がらないため大きな病院に入院したところ、肺炎を起こしていました。
コロナに感染して弱っていたところに、持病の非結核性抗酸菌症が活発化したのでした。
医師はこの先は自宅介護をと正さんに勧めました。正さんも、毎日病院に行くうちに、自宅介護を勧める医師の考えに納得したのでした。
正さんは、『チルチン人』という雑誌のエッセイで自宅介護を決心したことについて「ベニシアが大好きな自宅で、これからの僕たち二人の人生に正面から向き合うことが、いまいちばん大切なことではなかろうか」と書いています。
2022年9月28日退院したベニシアさんは、1年2か月ぶりに大原の自宅に戻りました。
そして、2023年6月21日 誤嚥(ごえん)性肺炎のため72歳で亡くなりました。
病院や施設ではなく、大切に育ててきた大好きなお庭のある自宅で最期を迎えることができたベニシアさん。正さんは献身的に尽くし抜き、さらに夫婦愛、家族愛を深めたのですね。『チルチン人』の自宅介護中の写真では、息子の悠仁さん一家もベニシアさんに寄り添って写っていて、ベニシアさんが暖かい愛の中で眠られたことが想像できます。
「猫のしっぽ カエルの手」の中で、ベニシアさんはガーデニングについて、庭を作ることは幸福を植えること、という内容を話されました。
まさにベニシアさんは大原の家で、家族という大きな幸福を築き上げたのですね。
ベニシアさん晩年の資料
ベニシアさんの晩年についての詳細は、夫の梶山正さんが『チルチンびと』という雑誌に書いたエッセイの他に、以下の本やYouTubeがあります。
↓「ベニシアと正2 ―青春、インド、そして今―」風土社 (2022/7/15)
↓2021年9月3日、介護施設入所前に受けた最後のインタビュー動画
【スペシャル インタビュー】ベニシア・スタンリー・スミスさんが語る「現在の思い」 Venetia Stanley-Smith【Special interview】 – YouTube
この動画の中でベニシアさんは、私たち日本人に「働きすぎないでください」と言っています。
日本を愛し、日本人を愛したベニシアさんにほんとうに感謝です。
そして、ベニシアさんが病気で困っているときに、こうしてたくさんの友人と家族が美しい愛でベニシアさんのもとに集結していることに、真の慰めを感じます。
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『チルチンびと』2023年10月号に「旅立ったベニシア」掲載
『チルチンびと』2023年10月号に、夫の梶山正さんのエッセイ連載「ベニシアと正、明日を見つめて」最終回、「旅立ったベニシア」が掲載されました。
晩年のベニシアさんの病状がどれほどたいへんなものだったか、正さんがどんなに悲しくつらい思いでいるかが伝わってきて、涙なしには読めません。そして、あらためてお二人の夫婦愛の深さが痛いほど伝わってきます。
今、正さんは、ベニシアさんを想いながら、大原の家のお庭の手入れをしています。
正さんは、お庭を守りながら、ベニシアさんを強く身近に感じ、悲しみの中でも前を向いて生きているのですね。
正さんのエッセイを読んで涙が止まりませんが、愛は死によっても弱まることなく、死を越えて愛はさらに太く深く存在することを感じました。
ベニシアさん晩年の病気は?病名の時系列まとめと介護施設入所のきっかけも調査!まとめ
今回は、
- ベニシアさんの晩年の病気は?
- 病名の時系列まとめ
- 介護施設入所のきっかけ
について、お話ししました。
もう京都の大原にベニシアさんがいないと思うととても寂しいです。
しかし、ベニシアさんは人生にベストを尽くしてきたから、後悔しないと言っていました。
大原に来た当初から、大原を終の住処にしたいと話していました。
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日本を生き抜き、日本人の心をここまで愛したベニシアさん、ほんとうにありがとうございました。
あなたの大原の家とお庭は、わたしの心の中にも生きています。
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