昆虫食がブームの理由は?虫を食べている日本の地域や種類は?味は美味しいの?

育児

最近、昆虫食が注目されているのをご存知でしょうか?

国連食糧農業機関(FAO)が、今後30年あまりに25億人の人口増加が予測される中で

森林伐採や温暖化による地球環境の悪化により

急激な人口増加を補うだけの食糧生産が困難であるとして、

この食糧危機を乗り越えるために

昆虫の摂取を推奨しているのです。

 

日本ではもともと山間部の長野県などを中心に

昔から昆虫食の郷土料理が根付いていました。

今回、岐阜県の郷土料理の昆虫食「へぼの甘露煮」

小学校3,4年生の読書感想文の課題図書

「季節のごちそうハチごはん」に載りました。

来たるべき食糧難に備えて子供たちにも昆虫食に

慣れ親しんでもらおうということでしょうか。

 

食糧難に「昆虫食」はなぜ?!

でも、どうして昆虫なんだろう!と思いますよね。

それは、食糧難に陥った際、

昆虫の高タンパクで栄養価が高いという点が注目されているからなのです。

食糧難のときにタンパク質を摂るため!

日本には有名なイナゴの佃煮がありますが、

イナゴはタンパク質70%脂肪が10%以下です。

日本でも第二次世界大戦中、食べ物がほんとうに何もない時代は

野の草も摘んで雑炊に入れて食べたそうですが、

タンパク質を補うためには、蛇のアオダイショウさえ捕まえて

食べたそうです。もちろん固くておいしくはなかったそうですが。

戦争経験者の私の父親の実話です。

 

アオダイショウはまずいけど、昆虫は意外においしいとのことです。

だから郷土料理にもなっているのですね。

 

また、牛や豚の可食部は40%とされているけれど、

コオロギは100%で、すべてを食べることができます。

養殖するとしても、水や土地も餌も少なくて済むので環境にも優しいのです。

日本ではどんな昆虫を食べていた?

縄文時代から人々は昆虫を食べていたことが、調査からわかっています。

日本では大昔から昆虫が食べられていたのです。

 

平安時代の日本最古の薬物辞典「本草和名」には

イナゴを食べていたことが載っています。

江戸時代の有名な百科事典「守貞謾稿」にも

イナゴの蒲焼売りの説明記述があります。

 

大正時代の調査では、いなご、ハチの子、蚕のさなぎ、トノサマバッタ、コオロギなど

食用に55種、薬用には123種の昆虫が食べられていました。

 

 

昭和生まれの私が子供の頃にも、近所の人がイナゴの佃煮の瓶を

お土産に持って来てくださったことがあり、

食べたことがあります。

最初はイナゴとわからず、なんだか香ばしくてすごくおいしいと思い、

よく見るとイナゴの姿をしているのがわかり、びっくりしました!

その後、野原でイナゴがたくさん飛び跳ねているのを見て

「あ、おいしいイナゴがたくさんいる!!」と感動したのを覚えています。

子供ながらに、もはや昆虫ではなく食材として自覚していました。

 

イナゴの他に日本の昆虫食と言えば、「ハチの子」が有名です。

 

読書感想文課題図書「季節のごちそうハチごはん」

ハチの子(蜂の子)とは、クロスズメバチなどの幼虫で、

長野県・岐阜県・愛知県・静岡県・山梨県・栃木県・岡山県・宮崎県などの

山間部で食用とされていて、高級珍味としても缶詰や瓶詰で販売されています。

クロスズメバチの他に、スズメバチやアシナガバチなども食べられています。

 

ハチごはんとへぼの甘露煮

読書感想文の課題図書になった「季節のごちそうハチごはん」では

カメラマンの著者が岐阜県の山間部を訪ねて

クロスズメバチの巣穴を探す「蜂追い」、

探して掘り出した巣を育てる「蜂飼い」、

秋に巣を解体して蜂の幼虫を取り出し食べて「へぼの甘露煮」にするまでが

写真絵本で詳しく説明されています。

季節のごちそうハチごはん/横塚眞己人【1000円以上送料無料】

 

昆虫が好きな男の子はすごく興味を持つでしょう。

クロスズメバチの巣穴を探す「蜂追い」は大人の男性たちも

イベントなどにして夢中になるおもしろさです。

 

虫が苦手な女の子は絶対に読まないかもしれませんが、

食糧難の世界的危機と合わせて、

昆虫は食材になるんだよ、という話を語って聞かせておけば、

将来、昆虫食が必要なときに「聞いたことがある!」と思えるでしょうね。

この先、もしほんとうに食糧難の時代が来たときに、

昆虫食に生き残りを懸ける食育のための貴重な本です。

 

山間部のタンパク源「へぼ」はクロスズメバチ

長野県など海から遠い地方では、クロスズメバチ

「へぼ」と呼ばれて貴重なタンパク源でした。

幼虫ウナギの味とそっくりと言われ、甘露煮などにされ、

成虫エビのような味をしていて、素揚げや佃煮にして食べられていて、

現在は缶詰・瓶詰で高級珍味となっていますが、

昔は家庭で普通に食べられていました。

クロスズメバチよりオオスズメバチのほうがおいしいようで、

オオスズメバチの幼虫は昆虫を食べているとは思えないほどおいしいそうです。

 

ハチの子を生で食べるのは・・・

日本の山間部の人々の中には、ハチの子を食べることに慣れていて、

なんと生のハチの子を食べるそうです。

シロウオの踊り食いと同じですね!生きているハチの子をそのまま食べるのですから!

(シロウオ・・・スズキ目ハゼ科)

 

でも、生でハチの子を食べるのは、寄生虫や雑菌などの

危険性があるので、やはり加熱調理して食べるのが安全ですね。

 

私の父親はワイルドな人で、裏山や庭木の剪定などのときに

よくアシナガバチの巣を取ってきて、巣の中のハチの子を

私にもいっしょに食べさせようといろいろと説得してきました。

戦争中は栄養たっぷりのごちそうだったとか、

子供たちはもっと骨が強くならなければいけないとか、

こういうものを食べないから足をよく捻挫するんだとか、

必死になって私にハチの子を食べさせようとするのです。

しかも、生で!

若い男の人がお父さんに「ハチの子はうまいし栄養がある」と勧められて

ハチの子を生食したという話をつい先日、ネットで見ましたが、

私も、父親のハチの子への強烈な思い入れと情熱に根負けして

1匹だけ食べました!(そのあとは逃げ回っていました!)

味はさっぱりわかりませんでした(笑)

生食よりも甘露煮などの加熱料理したもののほうが

ずっとおいしいと思いますよ。

 

へぼ釜飯というものもあり、

見た目の第一印象では「キャーッ!」と、とても無理と思えても、

一口食べると香ばしくて甘みもあり、食べやすくおいしいとのことです。

 

父とハチの子のエピソードはもう一つありまして、

私が子供の頃、庭木の剪定をしていた父が、木の枝の間にあった

小さめのスズメバチの巣をうっかり切り落としたところ、

父はスズメバチの襲撃に遭って刺されてしまいました。

父は刺されても負けずにスズメバチの巣を解体して、

アシナガバチより大きいスズメバチの幼虫を、生で食べてしまいました。

 

子供の私は、ハチに刺されたら救急車を呼ばなければと大慌てでおろおろしていたのですが、

父は「刺されたけどハチの子食べたから平気だ」と言い張って

結局、ほんとうに元気になってしまいました。

でも、ハチの子を食べたのがよかったとは私には思えません!

ハチに刺されたらアナフィラキシーショックを起こすかもしれないので

必ず病院に行かなければいけませんね。

 

へぼ料理を食べれるお店があります

郷土料理としてのへぼ料理を実際に食べれるお店をご紹介します。

 

くしはら温泉ささゆりの湯 くしはら亭

住所:恵那市串原3135-2

電話:0573-52-3131

営業時間:平日11:00~14:30/17:00~19:30(土日祝は通し営業)

定休日:水曜日   駐車場:150台

アクセス :  東海環状自動車道「豊田勘八IC」から車で約45分、中央自動車道「恵那IC」「瑞浪IC」から車で約45分

明知鉄道「明智駅」からバスで約20分

柳家(やなぎや)

住所:岐阜県瑞浪市陶町猿爪573-27

電話:057-265-2102

営業時間:火〜土・・・午前12:00~午後10:00

日・・・午前12:00~午後9:00 ※完全予約制

アクセス:JR中央線瑞浪駅よりタクシー 約20分

熊本市中央区の子飼商店街近くには、昆虫食自販機が設置されていて

話題になっています。

世界的人口増加と食糧難の問題に、このままではいけないと

地元の人たちにもいっしょに昆虫食に慣れていこうということで設置したとのことです。

おすすめはバッタのチョコレート

子供たちにも昆虫食に少しずつでも慣れてほしいですね。

 

まとめ

  • 国連食糧農業機関(FAO)は、急激な人口増加を補うだけの食糧生産が困難であるとして、この食糧危機を乗り越えるために、高タンパクな昆虫の摂取を推奨しています。
  • 日本の山間部ではもともと大昔から昆虫食が盛んで、イナゴの佃煮やへぼの甘露煮などの有名な昆虫食があります。
  • 小学3、4年生の読書感想文課題図書としてへぼの甘露煮が取り上げられた「季節のごちそう ハチごはん」という写真絵本があります。
  • イナゴやハチの子の郷土料理は、はじめに見た目はギョっとしますが、意外においしいです。
  • 寄生虫や雑菌の危険性があるので、昆虫の生食は避けたいですね。必ず加熱料理しましょう。

 

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