【あすという日が】合唱ポイントや歌い方のコツは?作られた経緯と作者の思いから徹底考察!

【あすという日が】合唱ポイントや歌い方のコツは?作られた経緯と作者の思いから徹底考察!のイメージ画像 中学生

 

中学生の娘のクラスでは、合唱コンクールで【あすという日が】という合唱曲を歌いました。

とても素直な言葉で明日への希望を壮大に歌い上げるこの歌は、東日本大震災のあとに大ブレイクしました。

実は、東日本大震災より五年も前に、大阪の第30回全日本合唱教育研究会全国大会を契機に作曲された合唱曲ですが、

東日本大震災の被災者の方々に、「私たちを励ましてくれるような歌詞」と言わしめた歌です。

 

今回は、【あすという日が】という歌の

  • 合唱ポイントや歌い方のコツは?
  • 作られた経緯と作者の思いから徹底考察!

についてお話いたします。

ポイントを押さえて味わいながら、明日への希望を高らかに歌い上げましょう(^^♪

 

【あすという日が】合唱ポイントや歌い方のコツは?

歌詞の出だしは「見上げてごらん」「見つめてごらん」という静かな語りかけが印象的です。

この導入部分で、この歌のダイナミックな世界観が広がっていくので、じっくり味わっていきましょう。

ここからは、ポイントとコツを詳しくお伝えしますね〜(^^♪

「見上げてごらん」導入部分を味わう

【あすという日が】のテーマは「希望」です。

しかし、この歌では「希望」という言葉が直接使われることはありません。

  • 歌詞一番では、「大空」「のびる枝」
  • 二番では「道」「のびる草」

で生命力の「希望」を表現しています。

「大空」と「のびる枝」

まず、一番では「大空」という言葉で、視線が上に導かれます。

つらいときには視線は下を向きがちですが、歌の最初から敢えて上空を仰ぎ見ることで、生きる勇気を力強く呼び覚ましています。

そして、その上空では、太陽に向かって細い木の枝たちが共に手を伸ばしているのですね。

植物はみんな上へ上へと伸びていきます。倒れてもなおも上へと伸びていきます。

このように、上へと伸びる生命力は、植物の強い意思を表しています。

そして、ここではっと驚く光景が目に入ってきます。

強い生命力を持つ細い枝が、重たい大きな木の実を支えているという光景です。

細いのにしなやかで強く、折れることなく重たい大きな木の実を支えているのですね。

今まで見過ごしてきたけれど、よく見るととても不思議ですね。

大きな木の実とは、柿やりんごなどでしょうか。

繊細なのに意外な強さを見せる細い枝が愛しくなります。

弱さの中にたくましい生命力が隠されています。

 

「道」と「のびる草」

歌詞二番では、「道」という言葉で、視線は前方に向けられます。

一番では「大空」へと顔を上げ、二番では前方に広がる「道」に目を向けて、一歩ずつ前進するように後押ししてくれているのですね。

 

その一歩を踏み出した足元を見ると、踏まれながらも芽吹いて「のびる草」に、はっと気付き驚きます。

まだ小さな芽だけど、踏まれるても踏まれてもあとからあとから芽吹いてのびる草。

一見弱々しい草が見せる圧倒的な生命力に、ここでも驚かされます。

 

一番二番ともに導入部分では、生命力にはっと気付く驚きが連続しています。

上を見ても、下を見ても、生命の躍動感に驚かされるのです。

それに気付くとき、不安や恐れで萎縮していた心は解放され、暖かい陽射しを受けて自ら輝きを放ちます。

 

導入部分のメロディーでは、8分休符16分休符が頻繫に出てきますが、これらは、はっと気付くときの息づかいのように感じませんか?

 

いまを生きる喜びを歌い上げる

一番二番共通で、「いま生きていること」に始まる次のフレーズは、まるでサビに聞こえるように盛り上がっていきます。

「大空」と「のびる枝」、「道」と「のびる草」から希望を呼び覚まされた心が、いまを生きる喜びを歌い上げていきます。

「なんてすばらしい」の歌詞のところで、急にメゾピアノにボリュームを下げるように指示されていますが、なぜでしょうか?

娘の中学校のクラスメートは、「命に感動して泣いているから」と答えました。

メゾピアノにボリュームが下がったところに、「感動」という強い思いが込められているのですね。

この込められた感動と思いは、次の「あすという日がある限り」のサビで解き放たれていきます。

あすに向かって生きる

「あすという日がある限り」という歌詞で始まるサビは、これまでの変ホ長調(E♭)からハ長調(C)に転調して盛り上がりを効果的にしています。

導入部分からこれまでは、変ホ長調(E♭)の優しくあたたかな響きで歌われてきました。

サビの「あすという日がある限り」以降、ラストにかけては、ハ長調(C)の明朗快活な明るさで素直に力強く歌い上げていきます。

一番は「あすという日があるかぎり」と歌いますが、二番では「あすという日がくるかぎり」と、未来がぐっと引き寄せられてきます。

さらに一番では「しあわせを」信じてと歌いますが、二番ではもっと具体的に「自分を」信じてと歌い上げます。

自分自身の内なる光が、しあわせの源になるのです。

 

サビの部分では、盛り上がって興奮してついついテンポが速く走りがちです。

気持ちが高揚するに任せて歌っていくと、どんどん走ってしまいます。

「あす」を思う前向きなパワーだけでなく、大空を見上げて両手を左右いっぱいに広げ、横空間の無限な広がりも意識すると、ダイナミックにゆったりと落ち着いて、堂々とエネルギッシュに歌い上げることができます。

 

作られた経緯と作者の思いから徹底考察!

【あすという日が】は、八木澤教司先生によって、大阪の第30回全日本合唱教育研究会全国大会を契機に作曲された合唱曲です。

その5年後、東日本大震災のときに、仙台市立八軒中学校 吹奏楽・合唱部の生徒が、避難所になっている校舎内で被災者の方々を前にこの曲を歌い、復興支援のシンボル曲としてたいへん注目されました。

【あすという日が】作曲は八木澤教司先生

大阪「第30回全日本合唱教育研究会全国大会」から八木澤先生への依頼は、

  • 難しい現代的な曲では無く、クラス合唱で親しまれるような歌
  • 中学生が希望に満ちた未来に夢をもてるような曲
  • 吹奏楽と共に奏でられる爽やかなクラス合唱曲

ということでした。

参考:八木澤先生公式ページ

八木澤先生は、作詞者山本瓔子先生の詩集を何冊も読んで、山本先生が詩にこめた思い、山本先生のお人柄を一音一音に込めて、素直な歌に書き上げました。

【あすという日が】は、とてもわかりやすい明快な言葉の歌詞を、わかりやすいシンプルなメロディーで歌っています。

メロディーの始めは、「見上げてごらん」「見つめてごらん」という語りかけの静けさと優しさがていねいに表現されています。

みわんこさん
みわんこさん
作曲者の八木澤先生といっしょに、作詞者山本先生のあたたかな声が聞こえてくるように、歌い上げていきましょう(^^♪

 

【あすという日が】東日本大震災の復興支援のシンボル曲

【あすという日が】が作られてから5年後の東日本大震災のときに、アンサンブルコンテスト全国大会に出場できなかった仙台市立八軒中学校 吹奏楽・合唱部の生徒たちが、コンテストの代わりに避難所の体育館で被災者支援コンサートを開きました。

そのコンサートで、【あすという日が】の歌が被災者の方々に贈られました。

このようすがNHKの全国ニュースで放送され、大反響を呼び起こし、仙台市立八軒中学校 吹奏楽・合唱部の生徒たちのこの歌はCDとなりました。多くのテレビ番組やイベントでも取り上げられました。

歌手の夏川りみさん、テノール歌手の秋川雅史さんも【あすという日が】のシングルCDを同時発売し、復興を応援する歌声は、ますます広がっていきました。

のちに作曲者の八木澤先生は次のようにおっしゃっています↓

この歌が少しでも被災した皆様を勇気づけることができるのなら、
それ以外の地域の心を痛めている皆様の支えになるならば、作曲者として感無量です。

参考:八木澤先生公式ページ

 

八軒中学校の菅原校長も、【あすという日が】の広がりに驚き、次のように語りました↓

「この歌が一歩でも前へ進もうと思う力になれば。そして日本中の皆さんが未来について考える一つのきっかけになれば」

参考:スポーツニッポン

生きるのがほんとうにつらいときにこそ、【あすという日が】という歌は心に響いて迫ってくるのです。

↓2020年3月、コロナ禍の自粛期間中には、海上自衛隊横須賀音楽隊が「演奏動画、日本応援メッセージ第1弾」としてこの歌を取り上げました↓

↑横須賀音楽隊 演奏動画 日本応援メッセージ第1弾「あすという日が」↑

東日本大震災、コロナと、日本でつらいことが起きるたびに、この歌は歌われてきたのですね。

 

【あすという日が】合唱ポイントや歌い方のコツは?作られた経緯と作者の思いから徹底考察!まとめ

今回は、【あすという日が】という歌の

  • 合唱ポイントや歌い方のコツは?
  • 作られた経緯と作者の思いから徹底考察!

についてお話いたしました。

【あすという日が】は、大阪の第30回全日本合唱教育研究会全国大会を契機に作曲された合唱曲ですが、その五年後の東日本大震災で、仙台市立八軒中学校 吹奏楽・合唱部の生徒たちによる避難所の体育館での被災者支援コンサートで歌われ、いっきに大ブレイクしました。

東日本大震災の被災者の方々に、「私たちを励ましてくれるような歌詞」と言わしめた歌です。

生きることに痛みがあってつらくても、今をいっしょうけんめい生きているあなたを、【あすという日が】の歌は優しく包み、支えてくれます。

つらすぎてまだ一歩前に踏み出せなくてもいい、今、この瞬間を、あなたが生きていることがすばらしいのです。

↓【あすという日が】は、ピアノソロとしても味わい深いです。先日、ストリートピアノで弾いた様子はこちらからどうぞ↓

↓ピアノソロの楽譜はこちらを使用しています↓

<<ぷりんと楽譜 あすという日が(夏川 りみ) /ピアノ(ソロ) 中級

 

↓【あすという日が】を娘と夫が歌ってくれました。

(ソプラノは娘、テナーは夫、ピアノはママです)↓

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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